ギラファホソアカクワガタ
Cyclommatus giraffa
ボルネオ島 サバ州 Penampang
WF2のサイクルは的外れな飼育をしていたようで、あまりに見所が無いので割愛し、飛んでWF3の飼育記録となります。
やや重い腰を上げて、真面目に産卵セットは組みました。ホソアカクワガタ属の羽化ボトルから回収した使用済みマットを固詰めし、水苔を敷き詰めてセットは完成。

2025.11.23
1回目は空振りで再ペアリングしたところ、無事に初令幼虫5頭と卵30以上を回収。水分量多めにセッティングしており、嫌気発酵部分との境界にぼちぼち産んでいます。
今回は1セット限りでしたが、最終的には50以上を確保し孵化率も良好。4つ切りカッターを使用し、少量でこまめなゼリー交換をしています。既にメスのフセツは半分以上取れてボロボロですが普通に生きています。
幼虫飼育
幼虫数が多いと複数条件で試行できます。餌は自作粗めマット+市販ブナ生オガをブレンドしたもの。前回の反省からプレス機でのガチ詰めはボトル下部のみとし、上部は金属製のハンドプレスを用いてやや緩く加減しています。
管理温度はワインセラー17℃、ブリ部屋空調管理の19℃前後で分けて管理することにしました。
2026.3.12
初令投入〜4ヶ月弱で3令に。経過は見るからに良好です。


蛹化〜羽化
2026年8月上旬よりメスが自力ハッチ。数日に1回は確認して回収します。
19℃前後で管理した場合、羽化から後食までかなり早い印象があり、ハッチ後は1週間ほどで後食を開始します。メスのサイズは29-31mmとかなり好成績。



メス画像はまとめで。個体差ありますが黒っぽい個体が多いですね。体型はとても細長いです。
2026.8.12
ついに長歯蛹達成!!続いて他の蛹も良い形になってくれました。



長歯オス64mm 2026.9.2 羽化確認
側面から見えず掘ったところ既に羽化していました。。

長歯オス66mm 2026.9.9 羽化確認

●長歯オス68mm 2026.9.13 羽化確認
今回最大です!!ここまで大きくなると格別です。




●長歯オス66mm 2026.9.25 羽化確認
大顎の基歯〜中間歯にかけて鋸状の小内歯が出ています。

ちなみに真性ハサミムシは一頭も出さずに済みました。小個体はまとめて画像のみ。必ずしも背の順で羽化するとは限らないんですよね。


まだ長歯蛹はいますが、数値的には見切れているので一旦公開してしまいます。
まとめ〜
温度・餌・詰め圧どれを取っても『攻める』の幅がとても狭いと思いました。厳しく鞭打つような飼育では応えてくれず、ボルネオ最難関と評される所以でしょう。最初の2サイクルは鳴かず飛ばずで撤退もよぎりましたが、続けると良い事あるというのは本当ですね。
今回の飼育はそれなりにサイズを狙いつつ、かつ大きな羽化ズレを防げているのも個人的にはポイント高いです。オスのサイズ狙いに最適な環境に合わせていくと、メスの幼虫期間もじっくり伸ばせるのかもしれません。
この虫の飼育について多くの方々がコメントされていますが、同条件下でのサイズのばらつきが異様に大きいです。手作業ゆえの細かなロット差に起因するものなのでしょうか。ある意味、上振れとしても跳ねやすい事に期待できるとも思います。
温度管理について。特大に拘らず長歯が見たいのであれば19℃前後でも問題ないようです。極端に冷やすと明らかに成長が鈍化します。ワインセラーは内部で明らかに温度ムラが生じ、結果的にサイズも伸び悩んでしまいました。安定性が無いので解決策が見つかるまで使用は断念します。
飼育データ+野外での観察記録を組み合わせた考察です。サバ州でのモンタネルスグループは、ゆるやかな垂直分布で棲み分けている事が推察されます(ギラファ≦モンタネルス<チュウ)。このあたり気になるので飛行機取りましたよ。本種の適温を知ることで、他種の適温も絞り込む事ができるでしょう。
餌について。幼虫期間は1年以内に収まるため、分解が進んだ餌+持ちに効く自作粗めマットの混合は外していないはずです。交換は試した事ありませんが、自分は1本返しで良いのかなと思っています。
今回の結果には非常に満足していますが、野外最大値の78mmにはまだ1cm近くの壁があります。さらなる大型個体を見るべく飼育を続けていきます。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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