メタリフェルホソアカクワガタ (亜種アエノミカンス)
Cyclommatus metallifer aenomicans
インドネシア 北マルク州 ハルマヘラ島
成虫入手
2025.6.4
むしの日に到着!オークションにてWD2ペアを落札しました。アエノミカンス野外品の入荷は数年ぶりではないでしょうか。久々の入荷かつ第一便で少々値が張りましたが、大型も多くスタイルが良いと感じて即決。

サイズは各ペア75mm,25mm、 70mm,24mm。
到着した個体を観察。他亜種と比較してオスの頭部は厚みがあり、空気を入れたような膨らみというと伝わりやすいでしょうか。メスは上翅のザラつきが強く、オスの場合は個体差があるようですが、サンギレンシス・フィナエ・イソガイと比較すれば上翅のザラつきは強いです。腿節の黄紋は4個体全てで確認され、体色は銅色から赤褐色まで個体差があります。大顎は太短く、その内歯も太短い傾向があります。
産卵セット
容器はコバシャ小ケース。新品の生オガマットに羽化後の食いカス混じりのマットをブレンド。底5割は固詰め、上はふんわり詰めで水苔をたっぷり散らして完成です。いつも通りではありますが、キクロのセットに材は入れていません。
デカいオスを選んだ意味とは?という気はしますが、いつも通りメスは追い掛け無しの持ち腹でセットに入れています。個体が到着したその日の中にメスを投入しました。
2025.6.19
1セット試し割り。短期間にも関わらず30卵以上が得られました。最速で購入したこともありメスの鮮度は抜群に良いようです。
2025.7.3
壁面に幼虫が観察されたため2セット目を割り出し。こちらも20幼虫、卵多数を確保。幼虫の状態も極めて良好です。



幼虫飼育
発酵マットを水分多めで加水し、1100cc・800ccボトルにプレス機で詰めたものを用意。今回は既製品のみで詰めたものに加えて、自作ホダマットを試験的に導入しており結果が楽しみです。
初令投入で詰め圧も結構強めという厳しめの環境で10頭ほどがボトル内で⭐︎になり、合計70頭の幼虫を抱えることとなりました。
全体的に暴れの傾向が見られた12月からオスも蛹室を形成し始めました。特段の羽化ズレはなさそうですね。1月初旬〜2月にかけて蛹化。少し掘り出しましたが体重乗ってませんね。特大を目指すとなると8gは欲しいので、今サイクルは期待ができなさそうです。


羽化
メスは2025年12月初旬から、翌2月からオスの羽化が始まりました。
●25W_A1 74mm
2月上旬羽化、800cc1本返し

●25W_A2 73mm
2月上旬羽化、800cc1本返し

●25W_A3 77mm
2月中旬羽化、800cc1本返し

●25W_A4 79mm
2月中旬羽化、800cc1本返し。顎の湾曲が少なくすらりと伸びている個体。特大ではないにしても理想形が出てくれるのは嬉しいです。

●25W_A5 測定なし
2月下旬羽化、800cc1本返し。残念ながら盛大に不全のため測定せず。

●25W_A6 76mm
2月下旬羽化、1100cc1本返し

●25W_A7 76mm
2月下旬羽化、1100cc1本返し

●25W_A8 76mm
3月上旬羽化、800cc1本返し

続いてBライン。
●25W_B1 76mm
2月中旬羽化、800cc1本返し

●25W_B2 76mm
2月中旬羽化、800cc1本返し

●25W_B3 81mm
2月中旬羽化、800cc1本返し。ようやく出ました80超え。今回の飼育では随一のスタイル抜群で、ストレートで幅に取られず大変良い。

●25W_B4 79mm
2月中旬羽化、800cc1本返し

●25W_B5 77mm
2月中旬羽化、800cc1本返し

●25W_B6 77mm
2月中旬羽化、800cc1本返し

●25W_B7 77mm
2月中旬羽化、800cc1本返し。顎先が固まり切らず羽化してしまった。

●25W_B8 78mm
2月中旬羽化、800cc1本返し

●25W_B9 81mm
2月中旬羽化、800cc1本返し。またしても80超え。

●25W_B10 76mm
2月中旬羽化、800cc1本返し。

●25W_B11 77mm
2月下旬羽化、800cc1本返し。

●25W_B12 81mm
3月上旬羽化、800cc1本返し。約81.5mmで今サイクルの最大個体。顎のうねりが小さいストレートな伸び方をしている理想的な個体です。

●25W_B13 67mm
3月上旬羽化、800cc1本返し。極端に顎な内巻きな個体が出現。サイズは唯一の6cm台で群を抜いて小さく異端な個体でした。標本で残します。

●25W_B14 73mm
3月下旬羽化、800cc1本返し。

●25W_B15 77mm
3月下旬羽化、1100cc1本返し。頭部の光沢が一際強い個体です。

●25W_B16 77mm
3月下旬羽化、1100cc1本返し。

●25W_B17 77mm
3月下旬羽化、800cc1本返し。

羽化個体多く掲載が大変でした。毎度書き切る強豪ブロガー様の精神力に感服です。ちなみにメスは最大29mmが5頭と飛び抜けた大型は出ず、最小で26mmでした。

還元率??
ここからは番外編です。
今回羽化したオス合計25頭のうち、計測可能な24頭の体長・頭幅数値を記録。次に体長(L)を体幅(W)で割ったLW比率を求めました。
そしてLW値を縦軸に、体長を横軸にプロット。散布図は母数が多く、種親に選定したBラインのみ表示しています。体長(mm)とLW比率には正の相関があるようで、体長に対して頭幅が小さい個体が大型化に有利=高還元ではないかと考えました。

LW比率の優れた個体を毎回選別していくことで、高還元のラインが作成できるのではと思っています。次世代以降でLW比率の平均値やばらつきに変化が出てくるか楽しみですね。WF1では沢山抱えたお陰でいいスタートが切れたのではないでしょうか。

2026年度の種親に選定した81mmの個体。サイズとLW数値に加えて、顎の湾曲や左右対称性など加味した総合判断で種親を選考しました。
今回の総括です。最大81mmが3頭とサイズ結果は奮わなかったものの、朧げな感覚を数値化するという意味で有意義な飼育でした。やや地味なデータ取りや勝敗分析にも楽しさを見出せるようになれば、長期的には飼育技術も深まっていくはずと思いたいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
