補足編:多面発現と遺伝形式

補足すべきことが多々あり追記しました。

前回記述した通り、青紋遺伝子は「上翅の紋」「艶消し」など複数の形質を有する多面発現であると考えています。しかしひとつの遺伝子座が複数の形質に影響し、それぞれ異なる遺伝形式をもつことが現実的にあり得るのか?

これについてはヒトの鎌状赤血球症の事例が分かりやすいかと。これはHBB遺伝子座による遺伝子疾患であり、複数の形質(貧血症・マラリア抵抗性)を持つことで有名ですが、臨床症状としての貧血症状は劣性遺伝、マラリア抵抗性は優性遺伝と説明されます。

さらに劣性遺伝について少し補足。メンデルの法則でお馴染みのエンドウマメの「シワ」の形質ですが、実は顕微鏡でヘテロ接合体を観察すると、微細な皺が見られるそうです。つまり肉眼レベルでは劣性遺伝、顕微鏡レベルの観察では不完全優性とも言えてしまうわけです。

単一の遺伝をみても形質ごとに遺伝形式は異なりますし、形質を観察するスケール次第で結論が変わってしまう点は留意すべきではないかと。

ちなみに青紋の判別ですが「青紋範囲に関わらず、紋さえ出ていれば青紋(ホモ接合体)」で問題ないはずです。紋あり(ホモ接合体)同士で交配した際に、範囲の大小に関わらず次世代は100%紋ありが出現するためです。

またホモ(紋あり)×ヘテロ(紋なし)の交配を実施しましたが、次世代の青紋率は100%とならずホモとヘテロ両方が出現します。以上の交配例から、紋が全く出ない場合をヘテロ接合体として扱うことが妥当と考えたわけです。※ヘテロ同士の交配パターンでは、次世代でホモ・ヘテロ・野生型が混在するため扱いに注意が必要です。

遺伝形式を説明するのであれば、交配結果や分離データで確認する必要があります
ここは読んでいて思わず吹き出しそうになりました。

青紋の遺伝について熱心にブログで書き書きしているのは貴方では?その理屈では数字出して議論する責任は当然そちらにもあると思うのですが。「検証の時間を捻出できない」と公言されてしまった以上、ご自身が議論するポジションに居ない事を自供してしまったという事になりますが良いのですか?

「母数がないと認めない、母数があっても認めない、自分は時間がないから確かめないけど好きに書く」こういう事を平気で言えちゃうものなのかと。

またn数を増やせば法則通りの理論値に近づくとは限りません。エピスタシスの可能性は?適応度(ω)による浄化選択は?これまた変数が多すぎて言い出したらキリがない。

毎度毎度、後手で「火消し」に回るこちらの気持ちも察してほしいです。多かれ少なかれ虫を扱う際にはセンスが問われると思うのですが、手取り足取り説明した上で理解されないのは、これまた別の問題なのかなと。

最後に青紋コンボについて。初期の青紋はノーマルから若干レッド寄りの前胸色を有していました。その後に青紋×他形質の交配が各ブリーダによって熱心に取り組まれて様々なコンボが出現していったのです。例えば青紋紫紺に関しては、青紋×紫紺のアウトライン交配から作出されています。

ここ5年位の動向を追うだけでも、青紋のベース色が多様化した理由は推察可能と思うのですが。とはいえインターネット上の情報も一定の「目利き」が必要というのもまた事実。

追記。
検証する際のn数は多いに越したことは無いが、ショウジョウバエなど一部のモデル生物を除き、コスト面でハードルが高いのが実情です。実際に科学雑誌においても非常に少ない観察数で遺伝形式を示唆する場合は往々にしてあります。

また消去による帰納法で再考した場合も結論は同じと考えられます。既に示した結果により優性・不完全優性・共優性遺伝は選択肢から外れます。交配パターンの雌雄を逆にした試行でも結果は変わらず、伴性遺伝も選択肢から外れる。残る結論は先述した通りです。

ここで日本語の話をしても不毛なのですが、「違和感」「噛み合わない」「話が合わない」は明らかな否定表現なんですよね。否定表現を用いて遺伝形式の説明を行なっている以上、氏が言い出した「立証責任」「最低限必要な検証」が発生する点に早く気づかれた方が良いのではと。

己の求めるデータが世に出ていない場合、それは自分で取りに行くのが大前提です。

あくまで直近の交配例を示すとすると、青紋×野生型の交配で得られたF1を21頭管理、結果は全て紋なしでした。同様の交配は過去4回は試しましたが常に結果は先に示したものと同様でした。

これ自体が理想的なn数かはさておき、時間を言い訳に検証しない人間が無努力で、臆面もなく強請るものでない事だけは確かなのです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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