カテゴリー: Breeding_Lucanidae

  • パスチュールホソアカクワガタ 飼育記録2025-2026

    パスチュールホソアカクワガタ 飼育記録2025-2026

    パスチュールホソアカクワガタ
    Cyclommatus pasteuri
    インドネシア 北スマトラ カロ県 ブラスタギ

    以前から飼育したいと願っていた種でしたが、最近のホソアカ人気の高さから野外品は中々手が出ず。今回大型サイズにも関わらず良心的なお値段で入手できました。色彩は飼育下でもかなりの個体差があるようですから、次世代の色合いも含めて楽しみで仕方がありません。

    2025.11.3
    即売会にて「Stag & Stack」様のブースから成虫ペアを購入。累代はWF2。オス9月中旬、メス8月頃羽化ということです。購入後すぐに後食が確認でき、活発に飛翔していたため即ブリ可能と判断しました。オスは55.2mmの大型で、購入時点での飼育レコード超えの数値です。メスのサイズは27.8mm、力強く重量感、安心感があります。

    飛翔性はホソアカ屈指で高いように思います。
    ペアリング中にプロゼリーを満腹まで食べさせ、落ち着かせてから写真撮影しました。

    産卵セット

    今回はNマットとナラ材を使ったセットです。キクロのために材を購入したのは2年振りくらいでしょうか。水分多めに加水したNマットを4cmほど固詰めし、長時間浸水した材を丸ごと投入。材を覆うようにNを上からふわ詰めし、水苔を敷き詰めてセットは完成。ペアリング済みメスを入れてひと月ほど放置します。

    2025.11.27
    一回目の割り出し。10個ほど卵を回収しました。

    マット部分から得られた卵は問題なく膨らんでいるのですが、材で作られた団子の中の卵は菌に巻かれて壊滅状態。仕方なくセットから材を取り除き、Nマットに粗めマットを加えて再セット。結局いつも通り慣れたやり方でやることになりました。

    2025.12.11
    一回目の割り出し分の孵化を確認。卵での取り出しはあまり良くないようで、孵化したのは7頭。

    2025.12.20
    2回目の割り出し。20個ほどの卵が得られメスはとても元気で状態が良好。メスはまだまだ元気でしたが、これ以降は無精卵を多発して追加幼虫は得られませんでした。

    幼虫飼育

    最終的に孵化した幼虫は23頭となりました。自作マットと市販の微粒子生オガ発酵マットのブレンドを複数パターンで使用。今回これまで使っているものとは違うメーカーのマットを注文しました。これまでサイズ狙いが上手くいかないコフキ系ホソアカの決定打となることを期待しています。

    容量は800・1200・1400ccの硬質クリアボトルを使用。大型ホソアカと比べると比較的柔めで詰めています。

    温度は悩みますが、現状セラーが低温種でキャパオーバーな状況。一旦は通常の19℃前後で管理します。ただし各書籍や入荷する産地情報から、高標高の低温ホソアカとみて間違いがないと思います。

    2026.7.15
    3令に加齢しました。

    蛹化〜羽化

    最後のステージでの死亡率は異様に高かったです。23ボトルを詰めて僅か4頭のみ羽化する惨状でした。餌代結構贅沢に使っていますし、勘弁してほしい気持ちです。

    2026.10.5
    メスの自力ハッチを確認。メスはこの1頭のみ!

    2026.10.5
    オス1頭目の羽化。サイズは56mmで羽化時点でのレコードオーバー。と思ったら今年サイズ更新されてしまいましたね。迫力がしっかりしていて良いです!

    容量1200ccで餌は自作マット+既製品生オガのブレンド1本返し。自作マットを併用して大型個体が出ると嬉しい気持ちになります。

    ノギス撮影は毎回苦戦する。。

    2026.10上
    サイズ50mm。容量1400ccを使って盛大に失敗しました。贅沢に餌を使っても攻め方の方向性が違うと全然ダメみたいですね。

    2026.10上
    サイズ53mm。800cc1本返し。これで羽化は終わりです、全体的に緑〜褐色系の色彩でした。別産地ですがペア購入のオスが赤系であったりと、色も楽しめる虫だと思います。

    まとめ

    親サイズに匹敵する大型を見ることができました。ギラホソに続いて自作餌ブレンドでの好成績は嬉しいところです。今回の飼育は生存率的には失敗でしたが、ホソアカの中ではサイズ狙いは容易な方だと思います。色良し形良しで非常にオススメの虫です。

    温度は19℃前後で比較的大きく育つと思います。それ以下の低温飼育は試していなかったのですが、今後チャレンジしても良さそうですね。餌のマットですが、手触りの硬いチップをギチギチに詰めすぎるのは個人的には微妙だと思いました。今回の最大個体は自作粗め+ブナ微粒子を併用したゆる詰めです。

    死因について。肉眼で観察できない以上憶測に過ぎない訳ですが、その殆どが蛹室作成前後に死亡している点に注目しています。初回の割り出しで卵が菌に巻かれて死んだやつ、あれが病原菌ではないでしょうかね。おそらく初令〜卵をプリカでまとめて管理した際に雑菌が蔓延し、菌が入り込んだ状態で体が大きくなるまで潜伏していたように思います。

    また今回は卵での割り出しが多く、共生酵母の垂直伝播に失敗した可能性はありそうです。これには雑菌の侵入から守る防衛共生という形があるそうで、防衛が機能しなかったのかもしれないです。今のところは卵での割り出しは避けるべき虫かなという印象です。

    ちなみに同ロットのマットを使用した他の虫で同じ事は起きていないので、餌自体に何か問題があるとは考えられません。

    成虫管理の基本は他のホソアカと変わらないと思いますが、メスは特に種切れを起こしやすいと思います。再ペアリング用に、オスをキープしておく事が好ましいと思います。何かと絶やすリスク要因が多い気がしますが、引き続き頑張りたいと思います。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

  • スクテラリスホソアカクワガタ中国亜種(エルサホソアカ) 2025-2026

    スクテラリスホソアカクワガタ中国亜種(エルサホソアカ) 2025-2026

    スクテラリスホソアカクワガタ 中国亜種
    Cyclommatus scutellaris elsae
    中国 四川省 雅安市 滎経県

    第26回BE-KUWA飼育レコードコンテスト

    今回初登録で本種のレコード申請を行いました。誌面で拝見しました皆様もおめでとうございます。3年連続何かしらの種で更新を続けることができました。

    星数については野外最大との差が大きいという事で、お恥ずかしながら正当な評価なのかなと。。入荷するWD個体は軒並み30mm台で大きくならないかと思いきや、中国鍬甲大図鑑での最大値が驚きの48mmなんですよね。愛好家が多い国の野外最大値は数値的に飛び抜けていそうで、飼育でこれを打ち破るというのはイメージが湧かず悩まされます。

    それでは飼育記録です。

    2025.4.26
    現地幼採羽化個体(WF0)ペアを八王子の昆虫ショップKPW様より入手。サイズはオス37mm、メス22mmでした。今回オスメス共に爪掛かりが良く、良好な鮮度で入荷していました。

    ホソアカ特集号で図示されている通り、顎はやや丸みを帯びています。購入後すぐに既にメスの後食を確認、1週間ほど遅れてオスも活動開始しました。

    産卵セット

    数日同居させ、その際にメイトガードも確認できました。

    Nマット一袋に他種ホソアカの使用済みマットを混ぜ込んで加水。コバシャ小ケース容器に下半分を加圧、上は8分までふんわりで詰めました。最後にたっぷりの水苔を敷き詰めて完成です。2週間後に割り出したところ十分な数の卵が得られました。メスのサイズと脚力を考慮し粗いチップは少なめ、詰め圧も大型キクロより弱めに加減しています。

    2025.5.22
    初令幼虫の孵化を確認。孵化まで早いですね。小型種は放置していると一気に加齢してしまうので、早めにメンテが肝心かと思います。その後も数回に分けて割り出し作業を行いました。予想以上に沢山産んでおり孵化率も良く、合計で60頭以上の幼虫が得られました。

    幼虫飼育

    生オガ発酵マット単体を詰めた800ccボトルに各1頭で36、ホダ・生オガ混合でブレンドした1400ccには各4頭まとめて多頭管理しました。

    2025.10.28
    前蛹〜蛹化を確認。温度は19-20℃で管理していたのですが、小型種という事もあってか羽化まで早いので驚きました。

    四川省雅安の年間気温ですが、12月〜3月は平均気温が10℃を切るようです。夏は暑くなるあたりも日本の気候に近いイメージで、野生下ではある程度の低温高温耐性があるものと予想されます。

    成虫羽化

    メスは約25頭ほどが羽化。サイズは21〜23mm。個体により前胸部の黒色部分が多少変化しますが、オスと違い形態的な個体差はあまり無いと思います。

    メスの羽化とほぼ同時でオスの早期羽化が出てきます。一部幼虫期間の長いオスがいると言ったところで、全体的に大きく羽化ズレすることは無いようですね。

    ●2025年11月5日 41mm
    一頭目は800cc1本返しから羽化。左の内歯数が1本多い個体。

    ●2025年11月20日 42mm
    今回の申請個体です。こちらの個体は1400cc多頭飼育の一頭目。顎がストレートに伸び、シルエット的に良くサイズが稼げている個体だと思います。

    ●2025年11月下 41mm
    生オガ800cc1本返し。基歯は二歯状で全体的に太めで顎は伸びきれていない。

    ●No.4 2025年12月上 39mm
    1400cc多頭管理。基歯が前を向いており、前胸中央の黒帯が大きめの個体です。

    ●No.5 2025年12月上 39mm
    800cc1本返し。こちらも基歯が二歯状ですね。

    ●No.7 2025年12月下 41mm
    800cc1本返し。

    ※この後42mmを超えるサイズは現れなかったため掲載画像は省略!オスは合計20頭以上が羽化していました。ボトル単頭飼育・多頭飼育どちらも少し数が減っていましたが、概ね生存率は良好でした。

    まとめ

    無事レコード初登録。市販の一般的な発酵マットが合っているようで、ホソアカの中でも比較的簡単に大型を狙いやすいグループだと思います。大陸のツヤホソアカは野外最大値<飼育最大値が多い傾向も納得ではあります。

    今回は1400cc容器での多頭飼育でレコードを登録しています。個別飼育も試しましたが、集団で環境をコントロールするのが得意なタイプの虫な気がします。水分量は大型のホソアカクワガタと比較して少なめを好むようで、これは大陸と東南アジア島嶼部の降水量の違いが関係していそうです。

    成虫管理ですが、羽化→ハッチのスピードが爆速で1週間でも見逃すと餓死します。数日に1度は蓋を開けて確認する必要はあるでしょう。餌切れNGで長期間ベチャベチャな環境で放置すると弱りやすいとも思います。まとめるとホソアカ特有の繊細さを誇張した感じです。

    成虫オスの個体差について。基歯先端の形状や方向、前胸黒帯の範囲、顎の丸み、小内歯数など各パーツの形態には明らかな個体差が見られます。飼育者としては悩ましいですが、このグループは図鑑で特徴として図示されるものとは異なる形態も出てきてしまうのかなと思います。

    安定して飼育は続いているので、今後も更新を狙って引き続き頑張ります。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

  • ギラファホソアカクワガタ 飼育記録2025-2026

    ギラファホソアカクワガタ 飼育記録2025-2026

    ギラファホソアカクワガタ
    Cyclommatus giraffa
    ボルネオ島 サバ州 Penampang

    前回の飼育記事はこちら。

    WF2のサイクルは的外れな飼育をしていたようで、あまりに見所が無いので割愛し、飛んでWF3の飼育記録となります。

    やや重い腰を上げて、真面目に産卵セットは組みました。ホソアカクワガタ属の羽化ボトルから回収した使用済みマットを固詰めし、水苔を敷き詰めてセットは完成。

    2025.11.23
    1回目は空振りで再ペアリングしたところ、無事に初令幼虫5頭と卵30以上を回収。水分量多めにセッティングしており、嫌気発酵部分との境界にぼちぼち産んでいます。

    今回は1セット限りでしたが、最終的には50以上を確保し孵化率も良好。4つ切りカッターを使用し、少量でこまめなゼリー交換をしています。既にメスのフセツは半分以上取れてボロボロですが普通に生きています。

    幼虫飼育

    幼虫数が多いと複数条件で試行できます。餌は自作粗めマット+市販ブナ生オガをブレンドしたもの。前回の反省からプレス機でのガチ詰めはボトル下部のみとし、上部は金属製のハンドプレスを用いてやや緩く加減しています。

    管理温度はワインセラー17℃、ブリ部屋空調管理の19℃前後で分けて管理することにしました。

    2026.3.12
    初令投入〜4ヶ月弱で3令に。経過は見るからに良好です。

    蛹化〜羽化

    2026年8月上旬よりメスが自力ハッチ。数日に1回は確認して回収します。

    19℃前後で管理した場合、羽化から後食までかなり早い印象があり、ハッチ後は1週間ほどで後食を開始します。メスのサイズは28-31mmとかなり好成績。

    メス画像はまとめで。個体差ありますが黒っぽい個体が多いですね。体型はとても細長いです。

    2026.8.12
    ついに長歯蛹達成!!続いて他の蛹も良い形になってくれました。

    長歯オス64mm 2026.9.2 羽化確認
    側面から見えず掘ったところ既に羽化していました。。

    長歯オス66mm 2026.9.9 羽化確認

    ●長歯オス68mm 2026.9.13 羽化確認
    今回最大です!!ここまで大きくなると格別です。

    ●長歯オス66mm 2026.9.25 羽化確認
    大顎の基歯〜中間歯にかけて鋸状の小内歯が出ています。

    ●長歯オス65mm 2026.9.29 羽化確認
    セラー管理の個体は少し遅れて。

    ●長歯オス65mm 2026.9下 羽化確認
    こちらもセラー羽化の個体です。

    ちなみに真性ハサミムシは一頭も出さずに済みました。小個体はまとめて画像のみ。必ずしも背の順で羽化するとは限らないんですよね。羽化個体の紹介はこれでおしまいです。

    まとめ〜

    温度・餌・詰め圧どれを取っても『攻める』の幅がとても狭いと思いました。厳しく鞭打つような飼育では応えてくれず、ボルネオ最難関と評される所以でしょう。最初の2サイクルは鳴かず飛ばずで撤退もよぎりましたが、続けると良い事あるというのは本当ですね。

    今回の飼育はそれなりにサイズを狙いつつ、かつ大きな羽化ズレを防げているのも個人的にはポイント高いです。オスのサイズ狙いに最適な環境に合わせていくと、メスの幼虫期間もじっくり伸ばせるのかもしれません。

    この虫の飼育について多くの方々がコメントされていますが、同条件下でのサイズのばらつきが異様に大きいです。手作業ゆえの細かなロット差に起因するものなのでしょうか。ある意味、上振れとしても跳ねやすい事に期待できるとも思います。

    温度管理について。特大に拘らず長歯が見たいのであれば19℃前後でも問題ないようです。極端に冷やすと明らかに成長が鈍化します。ワインセラーは内部で明らかに温度ムラが生じ、結果的にサイズも伸び悩んでしまいました。安定性が無いので解決策が見つかるまで使用は断念します。

    飼育データ+野外での観察記録を組み合わせた考察です。サバ州でのモンタネルスグループは、ゆるやかな垂直分布で棲み分けている事が推察されます(ギラファ≦モンタネルス<チュウ)。このあたり気になるので飛行機取りましたよ。本種の適温を知ることで、他種の適温も絞り込む事ができるでしょう。

    餌について。幼虫期間は1年以内に収まるため、分解が進んだ餌+持ちに効く自作粗めマットの混合は外していないはずです。交換は試した事ありませんが、自分は1本返しで良いのかなと思っています。

    今回の結果には非常に満足していますが、野外最大値の78mmにはまだ1cm近くの壁があります。さらなる大型個体を見るべく飼育を続けていきます。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

  • ランミヤマクワガタ 飼育記録2024-2026

    ランミヤマクワガタ 飼育記録2024-2026

    ランミヤマクワガタ
    Lucanus langi
    中国 チベット自治区 林芝市 メトク県

    2024.10.14
    即売会で幼虫4頭セットを購入。累代WF4、2024年8月孵化、親サイズ47・32mm。1400cc PPボトルにホソアカ使用済みマットを詰め、2齢幼虫を投入。

    2025.11.21
    久々に交換して体重測定。オスの幼虫は14.5g、13.7gでした。書籍を参照するに中々良い成長であると思います。同じくホソアカ使用済みマット+生おがマットを混ぜて継ぎ足し。


    2026.7.18
    オスが蛹化。2年1化でサイズの方も期待できそうです。最大体重まで乗ったオス幼虫は蛹化時の形成不全で落ちてしまいました。レコードとは言わずも大型のポテンシャルがあったと思います。

    2026.8.21
    羽化していました。初令から丸2年、結構長く感じました。

    よく見るとタイベストフィルターを齧って蛹室壁に取り込んでいます。これが防御力の高い仕上がりになっており、自然界でも繊維質を用いて補強する事もあるのでしょう。

    蛹化直前の「暴れ」とされる一連の動き。蛹室作成に適した環境や必要な資材を求めて動き回っている場合もあると思います。既製品のマット+αで蛹化前のスムーズな蛹室作成に活用できるかもしれません。

    固まったので撮影&計測!外国産ミヤマ初心者としては良い出来ではないでしょうか。半数が成虫にならずに途中で死亡してしまった点については、使用済みマットが良くなかったらしいです。ある程度は分解の進んだ餌に適性があると思うんですが、雑菌に弱いのでしょうか。

    振り返り。ゆるっと楽しみたい時の幼虫購入は精神的負担が軽くて良いですね。ちなみに久々にセラー確認したところメスが干上がってしまいました。標本にした時に真上ビューのペア画像上げようと思います。累代は終了です。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

  • インコグニトゥスホソアカクワガタ 飼育記録2025-2026

    インコグニトゥスホソアカクワガタ 飼育記録2025-2026

    インコグニトゥスホソアカクワガタ
    Cyclommatus incognitus
    インドネシア 西スマトラ ソロク Mt. Talang

    特に生体では流通の少ないホソアカです。一度に大量に来るイメージがないので、沢山は取れない種なのでしょう。イベントの際にStag & Stuck様から成虫2ペア購入させていただきました。

    産地はスマトラ島ソロクのMt. Talangで、標高はどこをとっても1200〜2500mはあるようです。幼虫は低温管理で問題無さそうですがマレー半島では低地にも棲息しているようで、これだけでは温度の正解が掴めませんね。情報もあまり無いので手探りの飼育です。

    ●産卵セット
    ホソアカの幼虫使用済みマットを丁寧にほぐして攪拌し、新品マットと混合して水分かなり多めに加水。コバシャ小ケースにハンドプレス機を用いて詰めていきます。下5割は固く詰め、上はふんわり詰めです。

    2025.9.4初回の割り出し。2頭の幼虫に卵は複数。私の環境ではダラダラと産むようで、一気に沢山取れる希望が見えてきません。もう少し温度高い方がいい気もします。卵で割り出すと孵化率が悪いようです。

    2025.10.202回目の割り出しで採れた幼虫数は僅かに1頭。どうやらメスは長生きなようで、2頭とも元気に生存しています。ちなみにこの後は種切れが来たのか追加は無しです。

    産卵セット
    ホソアカの幼虫使用済みマットを丁寧にほぐして攪拌し、新品マットと混合して水分かなり多めに加水。コバシャ小ケースにハンドプレス機を用いて詰めていきます。下5割は固く詰め、上はふんわり詰めです。

    2025.9.4
    初回の割り出し。2頭の幼虫に卵は複数。私の環境ではダラダラと産むようで、一気に沢山取れる希望が見えてきません。もう少し温度高い方がいい気もします。卵で割り出すと孵化率が悪いようです。

    2025.10.20
    2回目の割り出しで採れた幼虫数は僅かに1頭。どうやらメスは長生きなようで、2頭とも元気に生存しています。ちなみにこの後は種切れが来たのか追加は無しです。

    ●幼虫飼育
    発酵マット1本返しです。水分は多めに設定しています。

  • メタリフェルホソアカクワガタ (アエノミカンス) 飼育記録2025-2026

    メタリフェルホソアカクワガタ (アエノミカンス) 飼育記録2025-2026

    産卵セット

    幼虫飼育

    羽化個体

    還元率??

  • ディディエールシカクワガタ 飼育記録2024-2026

    ディディエールシカクワガタ 飼育記録2024-2026

    ディディエールシカクワガタ
    Rhaetulus didieri
    マレーシア キャメロンハイランド

    2024.4.29
    京都府の昆虫ショップ、インセクトマングローブ様から、キャメロンハイランド産のフリーサイズペアを購入。累代はCBF1です。

    2024.6.19
    コバシャ小ケースに柔め産卵材1本を埋め込みでセット。水分量は少なめに調整しました。翌月に割り出しを実行し、わずかに初令幼虫4頭を回収しました。材産み種は相変わらずコツがさっぱり掴めず苦手です。

    2024.8.2
    初令幼虫を800ccボトルに投入。餌はDOS生マットを選択し、詰め圧は程々に水分量は多すぎない目安を心がけました。ひとまず室温20℃のブリード部屋にて管理します。

    2025.2.2
    投入から半年経過し3令になりました。この時点で4頭中3頭が生存で全てオス判定。これは羽化ズレを気にせずサイズ狙いに挑戦する良い機会と思い、同マットをガチ詰めした2300ccボトルに全頭を交換。

    交換後は低温ホソアカを管理している17℃±1のワインセラー内にて様子をみることに。大容器管理で温度を下げると、幼虫は壁面にはほとんど現れなくなります。見えないのはどうしても不安になるものですが、しばらくすると生存は確認できていました。

    今回の産地であるキャメロンハイランドですが、夜はかなり冷え込みます。昼間は日差しがあり半袖でも大丈夫なんですけどね。最近は入荷のあるゲンティンの方も似た感じの気候です。やはり現地の気温を考えると17℃は妥当な範囲の温度設定と思います。

    2025.7.11
    知人から譲っていただいた別のワインセラーに移動。試しに18℃±1に設定したところボトル側面に出てきてしまったので、すぐに下げ直し。

    2025.10.29
    全頭がボトル側面で活発に活動していたため、蛹化前の動きと判断。ワインセラーから取り出し通常管理(19-20℃)へ。まもなく一斉に蛹室を作り始めました。

    ここから羽化までは個別の記録となります。

    ●No.1 2026.1.26羽化
    蛹10.0g→73.8mm

    容量交換日体重(投入時)
    1本目800cc2024.8.2—
    2本目2300cc2025.2.210.0g
    3本目2300cc2025.7.3016.7g
    →蛹10.0g

    体重の割に顎の伸びている蛹になりました。実際に後続と比較して明らかに還元率も良好でした。

    ●No.2 2026.2.3羽化
    蛹10.0g→69.2mm

    容量交換日体重(投入時)
    1本目800cc2024.8.2—
    2本目2300cc2025.2.29.8g
    →蛹10.0g

    こちらは当初から幼虫体重が乗らず、後半戦での挽回も無く羽化した個体。蛹体重自体は一頭目と全く同じ数値ですが、羽化サイズは数ミリ単位で違いが出ています。

    ●No.3 2026.2.6
    蛹14.1g→80.2mm

    容量交換日体重(投入時)
    1本目800cc2024.8.2—
    2本目2300cc2025.2.212.8g
    →蛹14.1g

    これでラスト個体です。一回目の交換で最も体重が乗っていた個体。居食いし全ステージで落ち着いており、あまり壁面にも現れませんでした。無駄な体重ロスなしで走り切ってくれた印象で、理想的な育ち方です。

    体重的にもう少しサイズ稼げると思ったのですが、そう簡単にいくものではないですよね。高還元で厳選して累代するなどの基礎的な積み重ねが必要であろうと実感します。

    固まったので最大個体を撮影。大顎基部の外側は突起が鋭く発達しており、個人的お気に入りポイントです。戦闘時にストッパー的な役割があるのではないかと思います。

    まとめ

    初飼育のディディエールシカクワガタ。条件さえしっかり整えれば素直に育ち、特段の気難しさはあまり感じさせない良い虫です。

    残念ながらペアで揃わず一旦累代は終了ですが、今後また良い機会があれば飼育したいと思います。甘えた事言うなと言われそうですが、頭数が少ないので記事にしやすかったです。

    今回使用したマットはお手頃な市販品単体の使用でしたので、その辺りも色々と拘ればさらに上も狙えるのではないでしょうか。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

  • ニジイロクワガタ(紫紺ピカール) 飼育記録2024-2025

    ニジイロクワガタ(紫紺ピカール) 飼育記録2024-2025

    ニジイロクワガタ(紫紺ピカール)
    Phalacrognathus muelleri
    オーストラリア・クイーンズランド州


    今回は紫紺ピカール系について。今サイクルでは複数ラインで合計150頭以上を管理しました。飼育温度は19-20℃、市販の生オガ発酵マットを水分多めでガチ詰めしています。基本的に交換なしの1本返しで羽化させています。

    こちらは入手から3サイクル目の本命ライン。2022年に都内ショップ様より購入した個体から累代しています。種親の厳選には力を入れており、前胸の強光沢、体型など総合的なクオリティは良好です。

    2025年10月より順次羽化してきました。ガチのサイズ狙いではないので余り気にしていませんが、殆ど大歯の50mm台、最大59mmでした。

    上翅はやや青みがあり前胸の色が薄い傾向はあるのですが、この特徴は遺伝性が無いと考えています。

    過去に非ピカールの青系紫紺を累代していましたが、世代を重ねるごとに上翅の青みは消えて紫が濃くなりました。維持できない特徴を理解した上で楽しめたら良いのではと思います。

    続いて別ラインです。

    2025年11月〜羽化確認。こちらは全体的に前胸が黒っぽい傾向がわかりやすいかと思います。紫紺ピカール×紫紺系(紫紺と他カラーを交配した中間色)ピカールの次世代です。

    完全な紫紺インラインではないので、紫紺と並行して紫紺系(紫紺×他カラーの交配による中間色)も低確率ながら出ます。これはメンデルの法則には当てはまらない、中間遺伝の概念に近いものと捉えています。

    紫紺系に関しては色の個体差も豊かで、上の画像のメスのように一見するとグリーンに見える個体もおり注意が必要です。前胸部は紫紺の影響が見えやすいですが、知らずして100%見抜く自信は私にはありません。

    このような紫紺系を同系色で揃えて累代しても、次世代以降で結局は紫紺が再出現する事になります。本種を見た色だけで判断して名前を付けてしまう限界はこういう事で、飼育にあたっては掛け合わせの記録こそ最重要と考えています。

    そういえば紫紺の来歴について。紫紺作出者様が寄稿された有名雑誌情報では、「紫紺」はグリーン系の選別累代過程で紫紺が出現したことが示されています。2015年に命名され流通が始まったとの事で、ニジイロの輸入開始(1999年〜?)から数えると実に16年を要した事になります。

    その後は紫紺の遺伝のしやすさもあり、2021年頃には既に入手しやすい状態であったと記憶しています。明確な遺伝性があるからこそ、紫紺の命名から10年が経過した2026年においても、当初と変わらない表現で流通が続いている訳です。

    しかし当時は先が見えない中で、一定の飼育数を長期スパンで維持管理し、試行錯誤の末に作り出された事が伺えます。

    具体的な書籍の内容になるので伏せますが、青みの強い紫紺特徴は初期段階から出現していたようです。作出者様は青系紫紺という名称を用いています。

    私は作出者様の命名の妥当性に鑑み、青みの強い紫紺はブルーとは呼ばないスタンスを取り続けています。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

  • 劣性遺伝?青紋の遺伝と形質についての考察。

    劣性遺伝?青紋の遺伝と形質についての考察。

    ニジイロクワガタ(青紋)
    Phalacrognathus muelleri
    オーストラリア クイーンズランド州

    今回はニジイロクワガタ「青紋」の形質と遺伝について。考察回です。思うところがあり突貫で書き上げました。

    まず「青紋」の際立つ外見的特徴は、何といっても濃い青色の上翅の紋。上品で美しいですよね。初めて見たときは感動しましたし、どっぷり飼育にハマるきっかけのひとつでした。

    ※ちなみに「紫紺系(紫紺×他カラーを交配した際の中間色)」は青紋と混同されやすいが全くの別モノです。これに関しては紫紺グリーンという呼び方の方が分かりやすいし、誤解も生まれにくい気はする。

    劣性(潜性)遺伝?

    早速ですが青紋の遺伝形式について。

    「上翅の紋」の【出る】【出ない】という二元的な条件においては、メンデルの法則の「劣性(潜性)遺伝」で説明できると考えています。

    理屈だけでは説得力に欠けるので、自身の飼育下での交配例を以下に示します。

    ここではメンデルの法則に則り、純系(ホモ接合体)の青紋を【ww】、野生型(ノーマル)を【WW】とします。

    純系の青紋【ww】同士をインラインで交配した次世代は、理論上100%青紋【ww】となります。少なくとも私の飼育下では同様の結果が得られています。

    またアウトラインの交配も行いました。

    青紋【ww】×野生型【WW】の交配から得られたF1は、外見状は野生型(ノーマル)だが青紋因子は存在する、ヘテロ接合体【Ww】となります。

    そしてF1のヘテロ接合体【Ww】同士を同腹インラインすると、F2では低確率ながら青紋【ww】が出現しました。

    F2で青紋にならなかった個体の中にはヘテロ接合体【Ww】と野生型【WW】が混在しますが、目視での見分けはつきません。

    以上が飼育下での検証で、青紋の「上翅の紋」は劣性遺伝と考えたわけです。また雌雄を逆パターンで交配しても結果は同じでした。

    とはいえ..

    「上翅の紋」だけが青紋の特徴では無いという話。青紋遺伝子は、複数の形質に影響をもたらしている「多面発現」ではないかと考えています。

    ですから形質によっては遺伝形式が異なる可能性もあるわけです。

    そこで今回は青紋の「体表のツヤ消し」形質に注目。特に前胸部を観察する事で分かりやすく、サンドペーパーでヤスリがけしたようなマットな質感です。

    先述した交配の事例に戻ります。
    青紋【ww】×野生型(ノーマル)【WW】を交配したF1(ヘテロ接合体)【Ww】の前胸部を観察したところ、「ツヤ消し」の形質は全個体で観察されました。

    F1で形質が失われないということは、視覚上の「ツヤ消し」形質は劣性遺伝ではないという事になります。

    つまり形質の「どの部分」に着目するかで結論が変わってしまう。

    その他にも「上翅のシワ」、インブリードを繰り返した際の「生育不良(産卵や生育に支障が出る)」の傾向も観察できますが、これらについて、今のところ確実な遺伝性や遺伝形式の結論は出せませんでした。「青紋範囲」についても同様です。

    ただそうはいっても、「青紋」=上翅の紋として認識されている点は重要です。「ツヤ消し」などの形質は副次的で、そもそも一般的に認識されているか怪しいくらいです。

    以上の前提を踏まえるならば、青紋を「劣性遺伝」として説明する事は妥当。少なくとも飼育下でこれを覆す結果は得られていないという話です。

    青紋に関しては複数ラインを数世代、累計で数百頭は管理してきましたが、遺伝形式に例外らしいものは見られませんでした。純系の青紋でインラインをした場合は次世代の青紋率は100%ですから、これを固定可能と評価する事も飼育下での経験的事実には則している。

    ※固定という語は生物学的な定義とブリーダーが言う”俗語”的な解釈が異なっており、誤解が生じやすいかもしれません。

    私はメンデルの法則を正確な確率予測ではなく、飼育下で青紋が【出る】【低確率で出る】【出ない】という大まかな予測ツールとして用いています。個人の飼育条件というものは大抵は母数が少なく、特にアウトラインで交配を行う場合に確率論の計算をしても、結果は理論値から大きく外れやすくなってしまうんですよね。

    最後に私が現在飼育している「青紋」の系統をいくつかご紹介。

    青紋の遺伝は、通常色(レッド・ノーマル・紫紺など)や、ホワイトアイ(劣性遺伝)とは独立に存在し、これら異なる2要素、3要素を重ねた個体(コンボ)は交配条件を設定することで狙って作出することが可能になります。

    ●青紋紫紺系
    青紋×紫紺の交配からの累代。紋の色は紫紺の影響で、通常の紺〜紫色に変化する個体もいる。

    ●青紋ホワイトアイ
    劣性遺伝同士のコンボで、最初に作り上げるプロセスが非常に難易度が高かったであろうと思われます。

    ●青紋レッドホワイトアイ
    青紋は通常は赤と隣り合わせで発色しないため、青紋とレッドのコンボは若干両立の相性が悪いように思います。レッドベースの青紋は鮮明で綺麗ですね。

    このような「コンボ」の存在こそ、青紋の明確な遺伝性を逆説的に示しているともいえます。

    しかし改めて某氏のブログをざっと読みましたが、まあ色々とツッコミどころ満載ですね。

    各タイトルで斬新な問題提起をして回っているものの、自説を確かめようと行動した形跡が見当たらないのは読み手としては困ったものです。

    そこまで遺伝性に違和感があるのであれば、あれこれ口走る前に、手元で交配の検証をすれば良いのでは?とは思いますが。2年程で結果の出揃う簡単なプロセスな訳ですし。

    まさにフラットアース論者、ID論者などが当てはまることですが、検証意欲を見せない懐疑主義者ってもはや説得不能じゃないですか。そうかと思えばハルシネーションの可能性すら疑わずにAIの出力をポンと引っ張ってくる訳で、こちらは毎度驚かされるばかりです。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

    参考資料
    江島洋介「これだけは知っておきたい図解ジェネティクス」オーム社 2021

  • ニジイロクワガタ(青紋紫紺) |飼育記録Vol.3

    ニジイロクワガタ(青紋紫紺) |飼育記録Vol.3

    ニジイロクワガタ(青紋紫紺)
    Phalacrognathus muelleri
    オーストラリア クイーンズランド州

    前サイクルの飼育記録はこちら

    コバシャ小ケースマットガチ詰め×3セットから80頭ほどの幼虫が得られました。2025年9月頃〜羽化確認。

    当ラインは(加水量の調整を間違えなければ)800ccマットボトル1本で安定して大歯を出せるようになりました。20℃以下の温度で管理し、3世代は同メーカーの生オガで管理している影響もあるかもしれません。

    早速ですが今回羽化した個体はこちらになります。

    1. 青紋紫紺(完全体)

    通常の紫紺に見えますが、青紋(ホモ接合)です。青紋の特徴で前胸は艶消しでマットな質感です。上翅のザラつきや皺はある程度個体差・ライン差があったりして、やはり写真では伝わりきらない部分もあります。できれば実物を見て見慣れるのが良いでしょう。

    2. 青紋紫紺系

    紫紺系(中間色)に青紋がのったタイプです。
    「青紋紫紺」といえば、このような発色をイメージされる方が多いかと思います。しかしあくまでも紫紺の中間色ですので、このタイプを数世代にわたり100%固定!というのは出来ないと考えています。これを高確率で狙って出す方法は1.×3.です。

    青紋範囲が広がった個体は格別の美しさがあります。範囲の狭い個体は上翅の両サイドに小さく発色します。青紋部分が通常の濃い青〜紫色に変化するのもポイントです。

    3. 青紋(ノーマル寄り)

    一般的に青紋の通常色として出回っているやつです。2. のインラインから一定数出ます。前胸がやや緑っぽかったりと紫紺の影響は受けていることは分かりますが、何も知らずにパッと見せられると言い切れないと思います。

    最後までご覧いただきありがとうございました。