カテゴリー: Breeding_Lucanidae

  • インコグニトゥスホソアカクワガタ 飼育記録2025-2026

    インコグニトゥスホソアカクワガタ 飼育記録2025-2026

    インコグニトゥスホソアカクワガタ
    Cyclommatus incognitus
    インドネシア 西スマトラ ソロク Mt. Talang

    特に生体では流通の少ないホソアカです。一度に大量に来るイメージがないので、沢山は取れない種なのでしょう。イベントの際にStag & Stuck様から成虫2ペア購入させていただきました。

    産地はスマトラ島ソロクのMt. Talangで、標高はどこをとっても1200〜2500mはあるようです。幼虫は低温管理で問題無さそうですがマレー半島では低地にも棲息しているようで、これだけでは温度の正解が掴めませんね。情報もあまり無いので手探りの飼育です。

    ●産卵セット
    ホソアカの幼虫使用済みマットを丁寧にほぐして攪拌し、新品マットと混合して水分かなり多めに加水。コバシャ小ケースにハンドプレス機を用いて詰めていきます。下5割は固く詰め、上はふんわり詰めです。

    2025.9.4初回の割り出し。2頭の幼虫に卵は複数。私の環境ではダラダラと産むようで、一気に沢山取れる希望が見えてきません。もう少し温度高い方がいい気もします。卵で割り出すと孵化率が悪いようです。

    2025.10.202回目の割り出しで採れた幼虫数は僅かに1頭。どうやらメスは長生きなようで、2頭とも元気に生存しています。ちなみにこの後は種切れが来たのか追加は無しです。

    産卵セット
    ホソアカの幼虫使用済みマットを丁寧にほぐして攪拌し、新品マットと混合して水分かなり多めに加水。コバシャ小ケースにハンドプレス機を用いて詰めていきます。下5割は固く詰め、上はふんわり詰めです。

    2025.9.4
    初回の割り出し。2頭の幼虫に卵は複数。私の環境ではダラダラと産むようで、一気に沢山取れる希望が見えてきません。もう少し温度高い方がいい気もします。卵で割り出すと孵化率が悪いようです。

    2025.10.20
    2回目の割り出しで採れた幼虫数は僅かに1頭。どうやらメスは長生きなようで、2頭とも元気に生存しています。ちなみにこの後は種切れが来たのか追加は無しです。

    ●幼虫飼育
    発酵マット1本返しです。水分は多めに設定しています。

  • メタリフェルホソアカクワガタ (アエノミカンス) 飼育記録2025-2026

    メタリフェルホソアカクワガタ (アエノミカンス) 飼育記録2025-2026

    産卵セット

    幼虫飼育

    羽化個体

    還元率??

  • ディディエールシカクワガタ 飼育記録2024-2026

    ディディエールシカクワガタ 飼育記録2024-2026

    ディディエールシカクワガタ
    Rhaetulus didieri
    マレーシア キャメロンハイランド

    2024.4.29
    京都府の昆虫ショップ、インセクトマングローブ様から、キャメロンハイランド産のフリーサイズペアを購入。累代はCBF1です。

    2024.6.19
    コバシャ小ケースに柔め産卵材1本を埋め込みでセット。水分量は少なめに調整しました。翌月に割り出しを実行し、わずかに初令幼虫4頭を回収しました。材産み種は相変わらずコツがさっぱり掴めず苦手です。

    2024.8.2
    初令幼虫を800ccボトルに投入。餌はDOS生マットを選択し、詰め圧は程々に水分量は多すぎない目安を心がけました。ひとまず室温20℃のブリード部屋にて管理します。

    2025.2.2
    投入から半年経過し3令になりました。この時点で4頭中3頭が生存で全てオス判定。これは羽化ズレを気にせずサイズ狙いに挑戦する良い機会と思い、同マットをガチ詰めした2300ccボトルに全頭を交換。

    交換後は低温ホソアカを管理している17℃±1のワインセラー内にて様子をみることに。大容器管理で温度を下げると、幼虫は壁面にはほとんど現れなくなります。見えないのはどうしても不安になるものですが、しばらくすると生存は確認できていました。

    今回の産地であるキャメロンハイランドですが、夜はかなり冷え込みます。昼間は日差しがあり半袖でも大丈夫なんですけどね。最近は入荷のあるゲンティンの方も似た感じの気候です。やはり現地の気温を考えると17℃は妥当な範囲の温度設定と思います。

    2025.7.11
    知人から譲っていただいた別のワインセラーに移動。試しに18℃±1に設定したところボトル側面に出てきてしまったので、すぐに下げ直し。

    2025.10.29
    全頭がボトル側面で活発に活動していたため、蛹化前の動きと判断。ワインセラーから取り出し通常管理(19-20℃)へ。まもなく一斉に蛹室を作り始めました。

    ここから羽化までは個別の記録となります。

    ●No.1 2026.1.26羽化
    蛹10.0g→73.8mm

    容量交換日体重(投入時)
    1本目800cc2024.8.2
    2本目2300cc2025.2.210.0g
    3本目2300cc2025.7.3016.7g
    →蛹10.0g

    体重の割に顎の伸びている蛹になりました。実際に後続と比較して明らかに還元率も良好でした。

    ●No.2 2026.2.3羽化
    蛹10.0g→69.2mm

    容量交換日体重(投入時)
    1本目800cc2024.8.2
    2本目2300cc2025.2.29.8g
    →蛹10.0g

    こちらは当初から幼虫体重が乗らず、後半戦での挽回も無く羽化した個体。蛹体重自体は一頭目と全く同じ数値ですが、羽化サイズは数ミリ単位で違いが出ています。

    ●No.3 2026.2.6
    蛹14.1g→80.2mm

    容量交換日体重(投入時)
    1本目800cc2024.8.2
    2本目2300cc2025.2.212.8g
    →蛹14.1g

    これでラスト個体です。一回目の交換で最も体重が乗っていた個体。居食いし全ステージで落ち着いており、あまり壁面にも現れませんでした。無駄な体重ロスなしで走り切ってくれた印象で、理想的な育ち方です。

    体重的にもう少しサイズ稼げると思ったのですが、そう簡単にいくものではないですよね。高還元で厳選して累代するなどの基礎的な積み重ねが必要であろうと実感します。

    固まったので最大個体を撮影。大顎基部の外側は突起が鋭く発達しており、個人的お気に入りポイントです。戦闘時にストッパー的な役割があるのではないかと思います。

    まとめ

    初飼育のディディエールシカクワガタ。条件さえしっかり整えれば素直に育ち、特段の気難しさはあまり感じさせない良い虫です。

    残念ながらペアで揃わず一旦累代は終了ですが、今後また良い機会があれば飼育したいと思います。甘えた事言うなと言われそうですが、頭数が少ないので記事にしやすかったです。

    今回使用したマットはお手頃な市販品単体の使用でしたので、その辺りも色々と拘ればさらに上も狙えるのではないでしょうか。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

  • ニジイロクワガタ(紫紺ピカール) 飼育記録2024-2025

    ニジイロクワガタ(紫紺ピカール) 飼育記録2024-2025

    ニジイロクワガタ(紫紺ピカール)
    Phalacrognathus muelleri
    オーストラリア・クイーンズランド州


    今回は紫紺ピカール系について。今サイクルでは複数ラインで合計150頭以上を管理しました。飼育温度は19-20℃、市販の生オガ発酵マットを水分多めでガチ詰めしています。基本的に交換なしの1本返しで羽化させています。

    こちらは入手から3サイクル目の本命ライン。2022年に都内ショップ様より購入した個体から累代しています。種親の厳選には力を入れており、前胸の強光沢、体型など総合的なクオリティは良好です。

    2025年10月より順次羽化してきました。ガチのサイズ狙いではないので余り気にしていませんが、殆ど大歯の50mm台、最大59mmでした。

    上翅はやや青みがあり前胸の色が薄い傾向はあるのですが、この特徴は遺伝性が無いと考えています。

    過去に非ピカールの青系紫紺を累代していましたが、世代を重ねるごとに上翅の青みは消えて紫が濃くなりました。維持できない特徴を理解した上で楽しめたら良いのではと思います。

    続いて別ラインです。

    2025年11月〜羽化確認。こちらは全体的に前胸が黒っぽい傾向がわかりやすいかと思います。紫紺ピカール×紫紺系(紫紺と他カラーを交配した中間色)ピカールの次世代です。

    完全な紫紺インラインではないので、紫紺と並行して紫紺系(紫紺×他カラーの交配による中間色)も低確率ながら出ます。これはメンデルの法則には当てはまらない、中間遺伝の概念に近いものと捉えています。

    紫紺系に関しては色の個体差も豊かで、上の画像のメスのように一見するとグリーンに見える個体もおり注意が必要です。前胸部は紫紺の影響が見えやすいですが、知らずして100%見抜く自信は私にはありません。

    このような紫紺系を同系色で揃えて累代しても、次世代以降で結局は紫紺が再出現する事になります。本種を見た色だけで判断して名前を付けてしまう限界はこういう事で、飼育にあたっては掛け合わせの記録こそ最重要と考えています。

    そういえば紫紺の来歴について。紫紺作出者様が寄稿された有名雑誌情報では、「紫紺」はグリーン系の選別累代過程で紫紺が出現したことが示されています。2015年に命名され流通が始まったとの事で、ニジイロの輸入開始(1999年〜?)から数えると実に16年を要した事になります。

    その後は紫紺の遺伝のしやすさもあり、2021年頃には既に入手しやすい状態であったと記憶しています。明確な遺伝性があるからこそ、紫紺の命名から10年が経過した2026年においても、当初と変わらない表現で流通が続いている訳です。

    しかし当時は先が見えない中で、一定の飼育数を長期スパンで維持管理し、試行錯誤の末に作り出された事が伺えます。

    具体的な書籍の内容になるので伏せますが、青みの強い紫紺特徴は初期段階から出現していたようです。作出者様は青系紫紺という名称を用いています。

    私は作出者様の命名の妥当性に鑑み、青みの強い紫紺はブルーとは呼ばないスタンスを取り続けています。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

  • 劣性遺伝?青紋の遺伝と形質についての考察。

    劣性遺伝?青紋の遺伝と形質についての考察。

    ニジイロクワガタ(青紋)
    Phalacrognathus muelleri
    オーストラリア クイーンズランド州

    今回はニジイロクワガタ「青紋」の形質と遺伝について。考察回です。思うところがあり突貫で書き上げました。

    まず「青紋」の際立つ外見的特徴は、何といっても濃い青色の上翅の紋。上品で美しいですよね。初めて見たときは感動しましたし、どっぷり飼育にハマるきっかけのひとつでした。

    ※ちなみに「紫紺系(紫紺×他カラーを交配した際の中間色)」は青紋と混同されやすいが全くの別モノです。これに関しては紫紺グリーンという呼び方の方が分かりやすいし、誤解も生まれにくい気はする。

    劣性(潜性)遺伝?

    早速ですが青紋の遺伝形式について。

    「上翅の紋」の【出る】【出ない】という二元的な条件においては、メンデルの法則の「劣性(潜性)遺伝」で説明できると考えています。

    理屈だけでは説得力に欠けるので、自身の飼育下での交配例を以下に示します。

    ここではメンデルの法則に則り、純系(ホモ接合体)の青紋を【ww】、野生型(ノーマル)を【WW】とします。

    純系の青紋【ww】同士をインラインで交配した次世代は、理論上100%青紋【ww】となります。少なくとも私の飼育下では同様の結果が得られています。

    またアウトラインの交配も行いました。

    青紋【ww】×野生型【WW】の交配から得られたF1は、外見状は野生型(ノーマル)だが青紋因子は存在する、ヘテロ接合体【Ww】となります。

    そしてF1のヘテロ接合体【Ww】同士を同腹インラインすると、F2では低確率ながら青紋【ww】が出現しました。

    F2で青紋にならなかった個体の中にはヘテロ接合体【Ww】と野生型【WW】が混在しますが、目視での見分けはつきません。

    以上が飼育下での検証で、青紋の「上翅の紋」は劣性遺伝と考えたわけです。また雌雄を逆パターンで交配しても結果は同じでした。

    とはいえ..

    「上翅の紋」だけが青紋の特徴では無いという話。青紋遺伝子は、複数の形質に影響をもたらしている「多面発現」ではないかと考えています。

    ですから形質によっては遺伝形式が異なる可能性もあるわけです。

    そこで今回は青紋の「体表のツヤ消し」形質に注目。特に前胸部を観察する事で分かりやすく、サンドペーパーでヤスリがけしたようなマットな質感です。

    先述した交配の事例に戻ります。
    青紋【ww】×野生型(ノーマル)【WW】を交配したF1(ヘテロ接合体)【Ww】の前胸部を観察したところ、「ツヤ消し」の形質は全個体で観察されました。

    F1で形質が失われないということは、視覚上の「ツヤ消し」形質は劣性遺伝ではないという事になります。

    つまり形質の「どの部分」に着目するかで結論が変わってしまう。

    その他にも「上翅のシワ」、インブリードを繰り返した際の「生育不良(産卵や生育に支障が出る)」の傾向も観察できますが、これらについて、今のところ確実な遺伝性や遺伝形式の結論は出せませんでした。「青紋範囲」についても同様です。

    ただそうはいっても、「青紋」=上翅の紋として認識されている点は重要です。「ツヤ消し」などの形質は副次的で、そもそも一般的に認識されているか怪しいくらいです。

    以上の前提を踏まえるならば、青紋を「劣性遺伝」として説明する事は妥当。少なくとも飼育下でこれを覆す結果は得られていないという話です。

    青紋に関しては複数ラインを数世代、累計で数百頭は管理してきましたが、遺伝形式に例外らしいものは見られませんでした。純系の青紋でインラインをした場合は次世代の青紋率は100%ですから、これを固定可能と評価する事も飼育下での経験的事実には則している。

    ※固定という語は生物学的な定義とブリーダーが言う”俗語”的な解釈が異なっており、誤解が生じやすいかもしれません。

    私はメンデルの法則を正確な確率予測ではなく、飼育下で青紋が【出る】【低確率で出る】【出ない】という大まかな予測ツールとして用いています。個人の飼育条件というものは大抵は母数が少なく、特にアウトラインで交配を行う場合に確率論の計算をしても、結果は理論値から大きく外れやすくなってしまうんですよね。

    最後に私が現在飼育している「青紋」の系統をいくつかご紹介。

    青紋の遺伝は、通常色(レッド・ノーマル・紫紺など)や、ホワイトアイ(劣性遺伝)とは独立に存在し、これら異なる2要素、3要素を重ねた個体(コンボ)は交配条件を設定することで狙って作出することが可能になります。

    ●青紋紫紺系
    青紋×紫紺の交配からの累代。紋の色は紫紺の影響で、通常の紺〜紫色に変化する個体もいる。

    ●青紋ホワイトアイ
    劣性遺伝同士のコンボで、最初に作り上げるプロセスが非常に難易度が高かったであろうと思われます。

    ●青紋レッドホワイトアイ
    青紋は通常は赤と隣り合わせで発色しないため、青紋とレッドのコンボは若干両立の相性が悪いように思います。レッドベースの青紋は鮮明で綺麗ですね。

    このような「コンボ」の存在こそ、青紋の明確な遺伝性を逆説的に示しているともいえます。

    しかし改めて某氏のブログをざっと読みましたが、まあ色々とツッコミどころ満載ですね。

    各タイトルで斬新な問題提起をして回っているものの、自説を確かめようと行動した形跡が見当たらないのは読み手としては困ったものです。

    そこまで遺伝性に違和感があるのであれば、あれこれ口走る前に、手元で交配の検証をすれば良いのでは?とは思いますが。2年程で結果の出揃う簡単なプロセスな訳ですし。

    まさにフラットアース論者、ID論者などが当てはまることですが、検証意欲を見せない懐疑主義者ってもはや説得不能じゃないですか。そうかと思えばハルシネーションの可能性すら疑わずにAIの出力をポンと引っ張ってくる訳で、こちらは毎度驚かされるばかりです。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

    参考資料
    江島洋介「これだけは知っておきたい図解ジェネティクス」オーム社 2021

  • ニジイロクワガタ(青紋紫紺) |飼育記録Vol.3

    ニジイロクワガタ(青紋紫紺) |飼育記録Vol.3

    ニジイロクワガタ(青紋紫紺)
    Phalacrognathus muelleri
    オーストラリア クイーンズランド州

    前サイクルの飼育記録はこちら

    コバシャ小ケースマットガチ詰め×3セットから80頭ほどの幼虫が得られました。2025年9月頃〜羽化確認。

    当ラインは(加水量の調整を間違えなければ)800ccマットボトル1本で安定して大歯を出せるようになりました。20℃以下の温度で管理し、3世代は同メーカーの生オガで管理している影響もあるかもしれません。

    早速ですが今回羽化した個体はこちらになります。

    1. 青紋紫紺(完全体)

    通常の紫紺に見えますが、青紋(ホモ接合)です。青紋の特徴で前胸は艶消しでマットな質感です。上翅のザラつきや皺はある程度個体差・ライン差があったりして、やはり写真では伝わりきらない部分もあります。できれば実物を見て見慣れるのが良いでしょう。

    2. 青紋紫紺系

    紫紺系(中間色)に青紋がのったタイプです。
    「青紋紫紺」といえば、このような発色をイメージされる方が多いかと思います。しかしあくまでも紫紺の中間色ですので、このタイプを数世代にわたり100%固定!というのは出来ないと考えています。これを高確率で狙って出す方法は1.×3.です。

    青紋範囲が広がった個体は格別の美しさがあります。範囲の狭い個体は上翅の両サイドに小さく発色します。青紋部分が通常の濃い青〜紫色に変化するのもポイントです。

    3. 青紋(ノーマル寄り)

    一般的に青紋の通常色として出回っているやつです。2. のインラインから一定数出ます。前胸がやや緑っぽかったりと紫紺の影響は受けていることは分かりますが、何も知らずにパッと見せられると言い切れないと思います。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

  • ルニフェルホソアカクワガタ |飼育記録VOL.2

    ルニフェルホソアカクワガタ |飼育記録VOL.2

    ルニフェルホソアカクワガタ
    Cyclommatus lunifer
    インドネシア スマトラ島 ジャンビ

    前回の飼育記録はこちらから
    今回はWF1→WF2までの飼育記録になります。メスは自力ハッチ後に回収。少食ですが餌切れNGだと思います。Lightさんのクォーターカッターでプロゼリーを4つ切りし、メスに関しては食べ残す前提で週1度ペースでゼリー交換を行いました。

    産卵セット

    引き続き材は使わずマットのみで産ませます。市販の生おが微粒子マットにホソアカの使用済みマットをブレンドしたものを十分加水し、底半分をしっかり加圧。容器はいつものコバシャ小で2セット組みました。

    2025.3.12
    第一回目の割り出しで十分な数の幼虫・卵を確保。飼育の場合輸送の負荷が無い分成功しがちなように思いますが、飼育個体の方が意外とクセがあるという意見もあります。上記の通りメスの管理には一番気を遣いました。

    幼虫飼育

    3月中旬に初令初期で発酵マットを詰めた800ccボトルに投入。今回は1セットから得られた50頭をボトル管理しましたが、環境構築が上手くいかなかったためか、予想を超える数がボトル内で★になりました。加齢せずに小さいままの幼虫も見受けられます。

    前回の飼育では割り出し遅れで2令投入になってしまいましたが、安全で死亡率の低い飼育を目指すのであれば、安定した2令以降でのボトル投入が良いのかもしれません。

    飼育温度は一貫して室温の19〜20℃。ラックの最下部で管理していたため、実際の温度は-1℃程度ブレがあると思います。ちなみに今回飼育している産地はジャンビですが、同州でさらに詳細産地として標高3000mを超えるクリンチ山(Kerinci)が挙げられます。温度を低めに設定した点は問題ないはずです。

    2025.10.28
    オスも前蛹〜蛹に。蛹室サイズが大きく期待が膨らみます。しかし本種はホソアカクワガタとしてはかなりスペースに余裕のある蛹室を作る傾向があり、これは糠喜びでした。

    羽化個体

    全頭1本返しでメスは7ヶ月・オスは8ヶ月ほどで羽化しました。羽化ズレ等は特に心配のいらない種類のように思います。大型個体になるほど頭楯の突出は大きくなり、テングホソアカの別名に相応しい見応えに。パスチュールやクプレオニテンス程ではないものの、胸部から上が若干緑がかっていて控えめな美しさを感じます。

    ●No.1 2025年11月3日 49mm
    こちらは頭楯がよく発達しており、刺股状の先端が細くメリハリのある個体。

    ●No.2 2025年11月7日 49mm
    頭楯は前方に伸びている個体。

    ●No.3 2025年11月3日 50mm
    頭楯はやや横側に伸びている個体。


    ●No.4 2025年11月20日 50mm
    頭楯の先端は丸みをおび、顎もやや太短く出ている個体。

    ●No.5 2025年11月29日 51mm
    ここまでの最大個体が羽化。キクロの大型個体に特徴的な頭部のコンセント状の凹みが出てきました。頭幅など結構太めの印象ですね。現状残っているラストの蛹はさらに体重が乗っていそうで、すこしだけ期待がふくらみます。

    ●No.6 2025年12月19日 49mm
    期待した割には全然小さかったです。レコードのレの字にも届きませんでした。

    ちなみにメスは大体どれも約23mmほど。パスチュールより小型で、羽化した個体を見比べましたが、胸部の模様には個体差が無いようです。

    敗戦!

    WD購入から2サイクル目のルニフェルホソアカ。
    まさかの半数のボトルは死亡しましたが、多少は幼虫期間を引き延ばせて前サイクルよりは親超えしてくれました。

    しかし特大サイズは出なかったですし、それなりに育ったオスが複数頭いることで若干上振れする個体も出てきてくれた感はあります。数抱えるのも戦略のひとつだと思うのですが、根本的な飼育を変えないと届かないのは間違いなさそうです。

    コフキ系ホソアカに試したい餌がありますし、飼育は続けます。実は昔上手く使いこなせなかったメーカーなのですが、今なら伸ばせる気がします。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

  • メタリフェルホソアカクワガタ亜種イソガイ 飼育記録2024-2025

    メタリフェルホソアカクワガタ亜種イソガイ 飼育記録2024-2025

    2年連続 BE-KUWA飼育レコード更新。ホッと一息つけました。また今回のレコード号にて獲得されました皆さまも大変おめでとうございます。

    今回はインドネシアのスラ諸島(タリアブ島・マンゴレ島)に産するメタリフェルホソアカ(亜種イソガイ)の飼育について書いていきます。前サイクルの飼育記録はこちら

    ペアリング・産卵セット

    オス88.2mm(2024年度レコード個体)に同腹のメス29〜28mmを交代で3個体をペアリング。わたくわさんブログで紹介されている通り、オスの気性が荒いため1-2日の短期間で同居を解除しています。コバシャ小ケースにマットのみを固詰めした産卵セットで、1ヶ月ほど経過すると壁面に初令幼虫が観察されます。3セット中2セットから60頭ほどの幼虫が得られました。初令初期で幼虫を回収し早期でボトルに投入していきます。

    幼虫飼育

    前サイクルの結果が良好であったため、容器選択・餌内容は基本的に変えずに続行。産卵セットから得られた初令幼虫を2024年7月〜順次1100ccボトル投入。

    ハンドプレスでの手詰め・プレス機での加圧を交互に行いガチ詰めしています。手詰めorプレス詰めの議論はありますが、どちらにも違う利点があると思います。私は腕力に自信がないため機械の力を借りていますが、パワーのある方には不要かもしれません。

    詰め圧をうまく反映する容器の素材・形状も重要です。私のところでは耐圧性の高いPPボトルを使用しています。各種PPボトルは蓋のフィルターが食い破られやすく、対処方法として通気性の高い熱帯魚用のフィルターをカットして交換しています。コバエの繁殖はサイズに結果に直結するだけではなく、人間関係にまで悪影響を与えるため要注意です。

    管理温度はエアコンで通年20℃。前年度より若干下げ目で管理しています。1本返しを念頭に置いた飼育選択のためボトルの交換はせず、羽化までボトル内で管理しています。

    またギリギリの水分調整に失敗したボトルが一定数あり15頭ほどの幼虫が落ちてしまいました。蛹時点でのアクシデントも複数あり、オスの完品羽化数は想定より少なくなってしまいました。

    蛹室形成をする本亜種の幼虫。ボトル壁面に●型の綺麗な窓を作る個体は特に大型になりました。理由は想像することしかできないのですが、前蛹期のエネルギーロスとかが大きいのではないかと考えています。

    羽化

    メスは2025年1月、オスは同年3月から羽化が始まりました。オスの幼虫期間は最短で7ヶ月・最長9ヶ月程。

    ⚫︎No1. 2025年3月19日 83mm
    ⚫︎No2. 2025年3月25日 88mm
    ⚫︎No3. 2025年3月27日 85mm
    ⚫︎No4. 2025年4月16日 86mm

    ⚫︎No5. 2025年4月18日 90mm
    遂に大台突破!2024年度飼育レコード数値を大幅に超えており、ここまでの最大個体です。後続でのサイズアップを暫く待っていたのですが、この個体を超えるサイズは現れず。本個体をむし社様に持ち込み計測に出し、計測値90.7mmにて2025年飼育レコードに登録しました。

    メタリフェルホソアカクワガタ 亜種イソガイ特大個体

    ⚫︎No6. 2025年5月8日 88mm
    このあたりのサイズ帯になると十分な迫力を感じます。

    ⚫︎No7. 2025年5月8日 86mm
    ⚫︎No8. 2025年6月5日 82mm
    ⚫︎No9. 2025年6月22日 85mm
    ⚫︎No10. 2025年6月28日 89mm
    ⚫︎No11. 2025年7月6日 85mm
    ⚫︎No12. 2025年7月25日 83mm

    総括

    基本的にサイズアベレージは高く維持できました。そして前サイクルより飼育数を抱え、管理温度を若干下げるなど微調整は加えての飼育がサイズアップに繋がったと感じています。

    反省点ですが、去年の飼育ブログでは水分量の話がメインになってしまい、その部分だけが強調された形で読み手に伝わってしまった感が否めないです。自分自身の思考も水分の話に引っ張られすぎていました。

    基本的には詰め圧と高水分の両立でマットの中の空気を抜くことで嫌気状態をつくるイメージです。詰め圧をかけずに大型を目指すとなるとまた違ったプロセスが必要になってくるのだと思います。既に手元にはWF3の幼虫がいますが、今回はそのあたりのバランスを意識してボトル詰めを行いました。今後もさらなるサイズアップを目指していきます!

    番外編!?

    こちら前蛹時点で結構デカいとマークしていた一頭。しかし蛹化を確認しても全く顎先が見えず、とても嫌な予感がして掘り出したら。。顎がグニャグニャに巻かれて悲惨な状態になってます。案の定1週間ほどで☆になりました。奇形ではあるため数値としての信頼性は低いですが、蛹の頭幅は19.8mmと前年度のレコードに比べて明らかに幅が出ています。正常に羽化した場合には2024年度レコードを悠々と超えるポテンシャルがあったと思われ、非常に悔やまれます。

    ●レコード個体を改めて撮影。

    メタリフェルホソアカクワガタ(亜種イソガイ)2025年度飼育レコード個体(写真その1)
    メタリフェルホソアカ(亜種イソガイ)2025年度飼育レコード個体(写真その2)

    さて今回紹介したスラ諸島(タリアブ島・マンゴレ島)のメタリフェル亜種イソガイ。地理的には最大亜種フィナエを産するバンガイ諸島(ペレン島・バンガイ島)に近く、両諸島の間には連続した小島が続いています。

    この両諸島全体はBanggai-Sula Microcontinentとよばれる構造区分に分類されており、氷期にはスラ諸島・バンガイ諸島間が陸続きになった可能性(地質図naviの海面レイヤを参照)があり興味深いです。※地質図naviのリンクを開き、水位を-120mに設定すると確認ができます。

    海水面低下により両諸島が陸続き、あるいは島間距離が短くなることで、遺伝子の交換が行われた可能性があると予想(妄想)しています。

    こうしてみると飼育下における本亜種の表現の振れ幅も納得するところがあります。腿節の黄紋は強く出現する個体から全く無い個体まで個体差が大きく、上翅肩部の尖り度合いも同様で個体差があります。

    このように飼育下のオスでハッキリとした特徴が出にくいのに対し、メスについては上翅の光沢の強さが非常に分かりやすいポイントであるかと思います。この特徴は当方の飼育下では個体差が無く安定しており、おそらく最も信頼度の高い特徴ではないでしょうか。

    いつも以上に熱が入り長文ブログとなってしまいました。
    最後までご覧いただきありがとうございました。

    リンク
    BE-KUWA97号 2025年クワガタ飼育レコードコンテスト
    本亜種の野外での観察記録(iNaturalist)
    わたくわさんブログ
    産総研 地質図navi

  • カプレオルスソリアシサビクワガタ |飼育記録vol.1

    カプレオルスソリアシサビクワガタ |飼育記録vol.1

    羽化

  • コツヤクワガタ 飼育記録2024-2025

    コツヤクワガタ 飼育記録2024-2025

    コツヤクワガタ
    Calcodes aeratus
    マレーシア キャメロンハイランド

    2024年2月羽化。累代WF2

    2024年5月に東京都大田区の昆虫ショップBeetle on様の委託コーナーに成虫ペアが置かれていましたので購入しました。入手したペアは触覚がピンと張っていて脚の力がしっかりしているので安心感をもって飼育できます。

    産卵セット
    なかなか飼育難易度の高い種類と思いますが、2024年現在ではGoogle検索だけでもかなり詳しい飼育方法が見れるようになりました。また一部市販品の産卵マットもあるようですが、諸事情により今回は市販品を模したブレンドマットを作成することとしました。とはいえ完全に聞き齧った情報のみでのチャレンジにはなるので、失敗覚悟の手探りとなります。

    ペアリングはプリンカップに水苔を入れて同居させる形をとりました。オスの交尾意欲はかなり活発で、出会うとすぐにメイトガードの体制をとり、早ければ1分ほどで始まります。交尾が完了するとメスは急いで逃げるようです。国産マルバネなどと同様に目視のペアリングが適していると思います。

    コツヤクワガタ ペアリング中

    無加水状態の自作ブレンドマット。

    2024年5月13日
    コバシャ小に自作ブレンドマットを加圧せず詰めます。慎重に加水して様子を見ましたが、赤枯れ効果によりやや団粒化するものの、あまり粘りっ気は無い出来上がりに。ペアリングしたメスを投入しました。

    あまりいじらない方がいいのは分かっているのですが、それでも気になってしまうのが飼育屋の性というもの。セット翌週に試しにセットを暴いてみたところ、複数の卵を発見しました。小型種なだけあって卵も極小サイズです。ひとまずこのセットで間違い無いと判断し継続することとします。途中で線虫が爆沸きしました。次の飼育では雑虫対策も一度考え直します。こういうのは記録に残さないとまた次同じ失敗を繰り返してしまいそうなので。

    コツヤクワガタ 卵

    幼虫飼育
    明らかに産卵数と幼虫数が釣り合っておらず、卵〜初令でかなり落ちちゃってたようです。気になって中身見ちゃダメでしたね。しかし3齢になるとある程度強いのでしょうか?ここまで来れば落ちることも無くなりました。線虫の発生も落ち着き何より。

    3齢期になると幼虫の活動の影響でマットのかさが減るため、逐一新しいマットを上から継ぎ足しました。水分量はそこまで多くなくても生存自体には問題なさそうです。

    2025年2月10日
    遂に繭玉入りを確認しました。度々ケース壁面に顔を出していた幼虫がここ1月はまるで見えなかったため、気になって確認した次第です。しかし幼虫5頭ほどいたはずなんですが、無事繭玉入りしたのはたった2頭。

    2025年4月19日
    繭割でメスの成虫を確認!もう片方の蛹はオスでしたので、無事羽化すればギリギリペアで揃うことに。おそらくこのタイミングで弄るのは良くないのですが、結局気になって触ってしまいますね。

    まるまる一年で1サイクル回るイメージですね。マレー半島のコツヤは毎年3月頃から本格的に野外品が入荷するため、現地でも一年一化なのではないでしょうか。また小型種だけに繭入りから成虫羽化までのスピードも結構早い印象です。

    コツヤといえばグリーンのオスが人気のイメージがありますが、メスも綺麗ですよね。ツヤ、マルバネが下手くそな自分としては、羽化までもっていけただけでも非常に嬉しいです。

    飼育品をペアリングする前にオスが落ちてしまいWDペアを購入。

    追記。
    自分でブレンドしたマットで産卵セットを組み、普通に失敗して絶やしました。無念!
    最後までご覧いただきありがとうございました。