スズムラホソアカクワガタ
Cyclommatus suzumurai
フィリピン パラワン島 ロハス 野外品
生体入手
本種は7年ぶりの入荷ということで。2024年11月4日に高円寺のむし社にて野外品を購入しました。産地はパラワン島北部のRoxas(ロハス)です。ちなみにアラガールホソアカは島内でも最も標高の高いガントンやマンタリンガハンから得られるのですが、ロハスは低山が広がっています。低地にも棲息するようなら飼育温度もそこまで攻めなくても大丈夫な気がします。
そして店舗の入荷について教えてくださったXの皆様ありがとうございます。以前から欲しいと思っていた種なのでとても嬉しかったです。
産卵セット
個人的なポリシーですが、ホソアカ野外品は持ち腹で組むことにしています。特に小型のホソアカは残りの寿命が心配ですし、追い掛け中の事故も否めないので。今回コバシャ小ケースに、スペキオススホソアカの使用済みマットをそのまま固詰めしたセットを作成。脚力があまり強い種ではないため、詰め圧はやや弱めに。
手抜きだと怒られそうですが、キクロって新品の産卵マット100%では孵化率が悪いように思います。もしかすると有用なバクテリアが豊富なマットの方が良いんじゃないかなと思い試してみました。ただ劣化が進みすぎて粘り気が出すぎているいるものは合わないと思います。それと材は入れた方が反応良さそうではありますが、割り出しタイミングが難しいので私はやりませんでした。小型キクロは孵化→2齢までのスピードが明らかに早いですからね。
余談ですがこちらMt. Mantalingahan の特大野外品41.8mm。このように大型になると内歯の鋸歯(ギザギザの部分)が発達する個体が見られます。ちなみに「パワラン島中部以北の個体は鋸歯が不明瞭」という記述があり、今回のロハス産の個体はネットに上がっている個体含めてそのような個体だった印象はあります。
ただ南部産の大型個体は全て鋸歯が発達するとは限らないようで、標本として入手したMt. Mantalingahanの個体数十頭はかなり個体差の幅がありました。必ずしもサイズが大きくなるにつれて鋸歯が発達するわけではないようです。
2024年11月19日
まさかのケース壁面で卵を観察。ホソアカって基本的に壁面産みを避ける傾向が強いので驚きました。卵の周辺の状態を見るに、おそらく産んだところをメスが掘り返してしまったようにも見えます。野外品は不安要素が強いので、何があれ産んでいると確証を持てたのは良かったです。ひと安心!
これからも経過は逐一追記します。
最後までご覧いただきありがとうございました。