アラガールホソアカクワガタ |飼育記録Vol.3

アラガールホソアカクワガタ
Cyclommatus alagari
フィリピン パラワン島 Mt.ガントン

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本種の飼育も3サイクル目に突入しました。

成虫入手

2023年12月、オオカブトの部屋様より大歯65mm(レコード血統)ペアを購入させていただきました。2024年3月に当方で羽化したメスとペアリング。改めて大歯を狙います。

前のサイクルと異なりスムーズにメイトガードに進まず、今回は長めの3-5日間をかけてペアリングを行いました。過去の飼育でメス殺しが発生した経験上、長期のペアリングは危険と感じていたのですが、今回ペアリングしたメス5頭は全個体無事でした。ペアリングの相性などは個体差もありうるのではと感じています。

産卵セット

産卵セットの内容は、キクロの食いカスマットに粗チップの新品マットを混ぜたものを使用。一般的なホソアカ産卵セットとはかけ離れていますが、アラガールにはバッチリハマる印象です。水分は他のホソアカよりも多めに設定し、コバシャ小の底3割はハンドプレスでガチ詰め。セットの上は湿らせた水苔をたっぷり敷き詰め、栄養補給のプロゼリーを4つ切りして入れておきます。同内容のセットを5セット作成し、室温20°で管理しました。

真面目にセットしたつもりでしたが3セットは幼虫が全く取れず。そして成功した2セットは引くほど産んでしまい、お世話になっている方々に少し飛ばしつつ、残った90匹を抱えることになりました。一般的に産卵セットは微粒子を追求する人が多いと思いますが、本種に関してはメスが粗いチップに良い反応をしている感じがします。もちろん条件次第では微粒子でも普通に沢山産むと思います。本種はメスの寿命がやや長く、産卵セットに入れてから2ヶ月が経過してもまだ産卵を継続しています。

幼虫飼育

マットのレシピは基本的に前回と変わりませんが、水分量をさらに多めに設定し、詰め圧も限界までかけました。ボトルの底7〜9割は嫌気発酵して黄色ぽく変色しています。

メインのボトルサイズは1100cc。あまり考えずにボトル詰めた後すぐに投入してしまい、水分が噴出して3割ほどの幼虫が死滅しました。今後は投入まで2週間ほどボトルの様子を見て、水浸しになったボトルは排水などの対策をしていきたいです。

投入後は一貫して20℃前後で管理を継続し、投入から5ヶ月程経過した9月にはメスが順次蛹化。11/2には自力ハッチする個体が現れました。上がってきたメスは逐一回収して水苔プロゼリー管理。

オスの方も10月下旬から蛹室を形成し始めました。今回は水分量など相当攻めたつもりだったのですが、初期蛹化の個体は中歯を連発。ハサミこそ出ないものの、先行きには不安が生じます。

そして12月以降に蛹化した個体は軒並み大歯の形状に!!

溺死させてしまった幼虫には申し訳なかったですが、ギリギリの水分量を狙って正解でした。冬頃は特に乾燥しがちで水分量低下が見られたので、ペットボトルで追加加水して環境調整。加湿器のお水を毎日入れ替えられるようなマメな性格ではないのでこうしています。

蛹の形状には個体差があります。小内歯の数と形、スーパー大歯とよばれる最大内歯前方の突起の有無は言わずもがな。そして頭部の衝立状突起の形状が富士山型になる個体となだらかな個体。顎がスラっと縦伸びするタイプとそうでないもの。(真上からの比較画像がなくてすいません)

大歯形の個体は2月上旬〜3月上旬にかけて羽化。最大サイズは64mmが1頭、次点で63mmが3頭と飛び抜けたサイズの個体は出ませんでしたが、嬉しい事に2頭は片顎が少しだけスーパー大歯の形状で成虫になりました。

ちなみにメインで使用した1100ccボトルに加えて、少数のみPP1400ccで管理していました。飛び抜けたサイズ結果には上手く反映されなかったものの、今後の対策次第では伸び代を感じています。今回1400ccボトルがサイズに反映されなかった原因としては、ボトル口が広く水分が抜けやすいのに対処しなかった点、プレス機の直径の関係で詰め圧がゆるゆるだった点が考えられます。

これらの点を解決できれば1400ccの方が適切なボトル選択のように思います。本種に関しては幼虫の活動を見ている限り、底面が広い方が蛹化時の動き回りが穏やかに見えました。

産卵セット

ペアリング中の事故で2メスをロス!
産卵セットは食いカス+既製品マットを固詰めしたセットを作成。合計で5つ作成したのですが、うち3頭はすぐにセット内で力尽きてしまいました。恐らくオスと合わせるために寿命をすり減らしてしまったものと思います。

2025.5.29
壁面に幼虫を観察!
インラインは1セットのみでギリギリ繋がりました。ど初心者の頃よりも打率が低くて頭抱えてしまいましたが、正直ホッとしました。キクロに関してはメスの鮮度が何より重要であるということを改めて認識する機会だったと思います。次サイクルはメスの幼虫期間の引き伸ばしに関して手が打てればと思います。

少しだけ宣伝!

わたくわさんの新著『魅惑のクワガタ』にて、当方より旅立ったオスを載せていただきました。飼育者としてこれほど光栄なことは無いです。皆さん既に書籍を手に取られている頃と思いますが、気が向いた時にチラッと覗いていただけたら嬉しいです。

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ちなみに読書感想ですが、様々な種類で野外での生態に言及があるのがとても有り難いです。読むだけで自分の興味の幅が広がりますし、図鑑を見て現地に足を運んでみたくなる一冊と思います。

長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。目標であった大歯出してみよう!はクリアしましたので、次は飼育の質を上げて大歯率の向上とさらなる大型個体の作出に注力したいです。

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