アラガールホソアカクワガタ
Cyclommatus alagari
フィリピン パラワン島 Mt.ガントン
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今回レコード血統のオス65mmとの掛け合わせでブリードしていきます。
成虫の羽化
2024年1月〜2月にかけてオスの羽化が始まりました。この時は蛹を見て勝手に大歯と勘違いしていたんですが、成虫になるとゴツさが一段下がって見えますね。今回は最大で59mmとなりました。最初に購入した親は60mmなのですが2サイクル回してまだ親超えできずという…無念。本当に飼育者泣かせな虫です。
ペアリング
2024年3月、ヤフオクで購入させていただいたレコード血統のオスと自分で累代しているメスを掛け合わせ。しかしメイトガードに進まず、今回は長めの3〜5日間をかけてペアリングを行いました。経験上長期のペアリングは危険との想定でしたが、今回はペアリングしたメス5頭は全個体無事でした
産卵セット
産卵セットの内容は、キクロの食いカスマットにライトマットを混ぜたものを使用。一般的なホソアカ産卵セットとはかけ離れていますが、アラガールにはこれがバッチリハマる印象です。水分は他のホソアカよりも多めに設定し、コバシャ小の底3割はハンドプレスでガチ詰め。セットの上は湿らせた水苔をたっぷり敷き詰め、栄養補給のプロゼリーを4つ切りして入れておきます。これを5セット作り、室温20°で管理しました。
真面目にセットしたつもりでしたが3セットは幼虫が全く取れず。そして成功した2セットは引くほど産んでしまい、お世話になっているショップに少し飛ばして残った90匹を抱えることになりました。一般的に産卵セットは微粒子を追求されがちですが、本種に関してはメスが粗いチップに良い反応をしている感じがします。(条件次第では微粒子でも全然産むと思います)。本種はメスの寿命は長く、産卵セットに入れてから2ヶ月が経過してもまだ産卵を継続しています。
幼虫飼育
マットのレシピは基本的に前回結果が良かったライト+αで、前回よりもやや水分量を多めに設定。本種は投入から4ヶ月ほどで3齢になるイメージですが、前回はここの段階で水分が抜けてしまい勿体なかったです。途中で加水する線もあるんですが、最初から限界まで加水すればベターではという結論になりました。ボトルの底7〜9割は嫌気発酵して黄色ぽく変色しています。ホソアカには適した環境だと思います。
ボトルサイズは1100cc・1400ccの2種類を使用しました。9月にはメスが順次蛹化し、11/2には自力ハッチする個体が現れたのでメスは回収して水苔プロゼリー管理。オスの方ですが10月下旬から蛹室を形成し始めました。
水分量など相当攻めたつもりだったのですが、今回もしょぼサイズを連発してしまい、羽化中盤から段々と見れる蛹が出現しました。
少なくとも60mmは超えていそうです。小内歯のボコボコは発達しているんですが、顎の湾曲や頭部の張り出しは弱くまだまだのサイズでしょう。前蛹サイズがこれより良い個体はいるので、そちらは期待してもよさそうです。
まだまだ定期的に更新しますが一旦公開。
最後までご覧いただきありがとうございました。