クワガタ採集の友達と話しているうちに本格的な離島採集に行って見たいということになり、3泊4日の奄美大島クワガタ採集旅に行ってきました。ここ奄美大島では、採集禁止の動植物がいます。さらに国立公園の特別保護地区は許可のない昆虫採集は禁止、さらにトラップ設置を禁止しているエリアがあるので、もしこれをみて採集に行きたいという方がいましたら、ぜひとも下線の部分をタップし、サイトを閲覧する事お勧めします。
奄美大島 クワガタ採集
7月8日14時30分、奄美大島に到着しました。空港から外に出ると肌が焼かれるほど強い日差しに、汗がダラダラ流れました。急いでレンタカー屋さんに駆けこんで、マウンテンバイクをレンタルします。なんと今回の採集旅は、自転車だけを使って移動します!車移動は楽ですが、現地の風を楽しみたいですからね。
数時間自転車を漕ぎ続け、Googleマップでみつけたポイントに到着です。出発の前から仕込んでおいた、虎の子バナナトラップを仕掛けていきます。本土でのクワガタ採集は樹液巡りが基本中の基本なんですが、奄美大島のような離島では、果物トラップが絶大な効果を発揮します。
さて、トラップの設置のポイントなんですが、まず重要なのはトラップを仕掛ける高さですよね。ノコギリは地面から5メートル以上、ヒラタは木の地面に接したところが良いかと思います。この場所はアマミノコギリ狙いなので、木の高い場所の枝の分岐点にトラップをひっかけてまわります。
実はこの作業にかなり悪戦苦闘してしまいました。網の柄にトラップを引っ掛けて気の高いところまで持っていくのですが、何度もトラップが滑り落ちてきて、4つほど仕掛けた時点で手はバナナ汁でベトベト、腕がかなり疲れてしまいました。まあこの苦労は後で報われることになるので、よしとしましょう。きた道を戻っていくと、すぐにフタオチョウが集まっていました。
この蝶はもともと沖縄本島に生息していたのですが、最近になって奄美大島に分布を拡大し、定着してきているようです。ところがフタオが増えた反動で、同じ食草を食べる奄美大島亜種のアカボシゴマダラが減ってしまったと聞きます。実際にこの場所ではたくさんのフタオチョウが観察できましたが、アカボシゴマダラは1匹しか見られませんでした。沖縄で珍しい蝶が奄美でたくさん見れるのは嬉しいですが、複雑な気持ちです。
さて、夕方になったので、山道から町のほうまでおりて、奄美名物の鶏飯をいただきました。休んでる暇はないので、一息つく間も無く、再び移動を開始します。昼間のなだらかな道とはうって変わって、アップダウンの激しい道になってきました。とはいえまだまだ宿までの道のりは長く、ひたすら自転車を漕ぎ続けます。
もう明かりにクワガタが来てもいい時間になっているので、通りすがりに街灯をチェックしてまわります。LED灯が多く、虫の集まりの良いライトは少ないのですが、ようやくアマミノコギリクワガタ1♂、アマミヒラタ1♂、スジブトヒラタクワガタ1♀を採集できました。なんとかひと安心です。足が限界に近づいていていますが、なんとか自転車で一山こえるとようやく港町の明かりが見えてきました。やっとの思いで宿についたのは夜の11時。先にバスで宿に直行していた友達が出迎えてくれました。疲れて余裕がなかったのでクワガタの写真は何も撮ってません笑笑。
7月9日の朝の7時。起床すると、意外にも昨日の疲れはとれていました。早くも9時にはチェックアウトをすませ、自転車でまた移動を開始します。友達は自転車は使わないので、バス停で合流することに。そしてせっかく奄美に来たんだから、綺麗な海を楽しまなきゃという流れになります。
7月10日、目的地の宿に向かって移動を開始。連日の移動で日焼けしてしまいましたが、日差しは容赦なく照りつけます。もうこの場所には戻らないので、トラップを片付けていくと、友達のバナナトラップにスジブトヒラタがくっついていました。これ、やらせじゃないですよ笑笑。ほんとにこんなふうにくっついていたんです。
念の為トラップを設置した木の根本を掘り返すと、アマミヒラタがわらわらと出てきました。昼間の間は木の根元に潜って休憩しているんですね〜。いいサイズは採集済みなので、多くはリリースしました。
午後になって最後の宿に到着し、チェックインを済ませます。初日にバナナトラップを仕掛けた場所の近くにようやく戻ってきたんです。数日放置したトラップに期待を膨らませながら、林道に入って進むと、、
感動のあまり立ち尽くしてしまいました。たくさんのアマミノコギリがフタオチョウ、ルリタテハ。ここ数日の頑張りが報われた気分です。網で揺すってもなかなかノコギリが落ちないので、網の柄に引っ掛けてトラップを引き上げました。
さらにストッキングを割いてみると、バナナは皮を残して食べ尽くされ、中には大量のノコギリの♀に混ざって、なんと60ミリのスジブトヒラタまで入っていました。しかしここで問題が発生します。持って帰るケースが全然足りてない。まずいどうしようとあたふたしているところに、数台の車が林道を降りてきます。話すと実はクワガタ屋さんの一行だったようです。ケースが足りなくなってしまったこと、アマミコクワが1匹も採れないことなどを急いで伝えました。すると一人が車から降りてきて、数箱のルアーケースに、アマミコクワのペアまでつけて、すっと渡してしてくれました。急いでクワガタをケースに納め、何度も感謝を伝えると、彼らはまた車に乗って去っていきました。
ふと網を覗くと、何やら小さいクワガタが2匹。なんだろうと思って拾い上げると、なんとアマミコクワの♀2匹が入っています。なんでだよってツッコミたくなる状況ですが、最初にトラップを網で揺すった時に、偶然網の中に落ちてくれたようです。さっきの採集者に嘘をついてしまったみたいで、少し罪悪感が残ります。さて、いったん宿に戻って夕食をとります。まだ見ていないトラップが何個もあり、早く見にいきたくてうずうずする気持ちを堪えて、陽が落ちるのを待ちます。
真っ暗になったので、山を登ってみにいくと、期待していた通り、全てのトラップにノコギリがびっしりついていて、どれも大歯型ばかりです。この夜は運良く2匹の金粉個体にも巡り合うことができました。ここまで100匹くらいのアマミノコギリを観察しましたが、金粉がのっている個体は3匹しか得られませんでした。(残念ながら採集に夢中で、写真はひとつもありません笑笑)
7月11日、今日でいよいよ最終日となりました。早朝にはトラップを回収してまわり、、65mm以下、または形がビミョーな♂はすべてリリースしました。実は片付けにまわっていた時に、アマミノコギリ73mmを筆頭に、特大個体を多数得ることができました。最後まで粘ったのが報われた感じですね。さて、全てのトラップを回収し、泥がついた自転車を掃除して返却し、最後の力を振り絞って自転車を漕ぎ、空港に辿り着きます。
奄美大島クワガタ採集は以上となります。最後までご覧いただきありがとうございました。
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