ニジイロクワガタ(紫紺ピカール)
Phalacrognathus muelleri
オーストラリア・クイーンズランド州
今回は紫紺ピカール系について。今サイクルでは複数ラインで合計150頭以上を管理しました。飼育温度は19-20℃、市販の生オガ発酵マットを水分多めでガチ詰めしています。基本的に交換なしの1本返しで羽化させています。
こちらは入手から3サイクル目の本命ライン。2022年に都内ショップ様より購入した個体から累代しています。種親の厳選には力を入れており、前胸の強光沢、体型など総合的なクオリティは良好です。






2025年10月より順次羽化してきました。ガチのサイズ狙いではないので余り気にしていませんが、殆ど大歯の50mm台、最大59mmでした。
上翅はやや青みがあり前胸の色が薄い傾向はあるのですが、この特徴は遺伝性が無いと考えています。
過去に非ピカールの青系紫紺を累代していましたが、世代を重ねるごとに上翅の青みは消えて紫が濃くなりました。維持できない特徴を理解した上で楽しめたら良いのではと思います。
続いて別ラインです。
2025年11月〜羽化確認。こちらは全体的に前胸が黒っぽい傾向。紫紺ピカール×紫紺系(紫紺と他カラーを交配した中間色)ピカールの次世代です。
こちらのラインは前胸が黒っぽい紫なのが分かりやすい傾向かと思います。




完全な紫紺インラインではないので、紫紺と並行して紫紺系(紫紺×他カラーの交配による中間色)も低確率ながら出ます。これはメンデルの法則には当てはまらない、中間遺伝の概念に近いものと捉えています。


紫紺系に関しては色の個体差も豊かで、上の画像のメスのように一見するとグリーンに見える個体もおり注意が必要です。前胸部は紫紺の影響が見えやすいですが、知らずして100%見抜く自信は私にはありません。
このような紫紺系を同系色で揃えて累代しても、次世代以降で結局は紫紺が再出現する事になります。本種を見た色だけで判断して名前を付けてしまう限界はこういう事で、飼育にあたっては掛け合わせの記録こそ最重要と考えています。
そういえば紫紺の来歴について。紫紺作出者様が寄稿された有名雑誌情報では、「紫紺」はグリーン系の選別累代過程で紫紺が出現したことが示されています。2015年に命名され流通が始まったとの事で、ニジイロの輸入開始(1999年〜?)から数えると実に16年を要した事になります。
その後は紫紺の遺伝のしやすさもあり、2021年頃には既に入手しやすい状態であったと記憶しています。明確な遺伝性があるからこそ、紫紺の命名から10年が経過した2026年においても、当初と変わらない表現で流通が続いている訳です。
しかし当時は先が見えない中で、一定の飼育数を長期スパンで維持管理し、試行錯誤の末に作り出された事が伺えます。
具体的な書籍の内容になるので伏せますが、青みの強い紫紺特徴は初期段階から出現していたようです。作出者様は青系紫紺という名称を用いています。
私は作出者様の命名の妥当性に鑑み、青みの強い紫紺はブルーとは呼ばないスタンスを取り続けています。
最後までご覧いただきありがとうございました。
