エラフスホソアカクワガタ
Cyclommatus elaphus
インドネシア スマトラ島 Mt.Dempo
ブリード初期の頃から飼育している本種はとにかく時間がかかる種類ですよね。外国産飼育4年目に突入しているのにまだ2サイクル目なんです笑。成虫が出る頃には飼育の改善点が山ほど見つかるということもあり、毎回もどかしい思いで羽化結果を書く種類でもあります…。それでは早速飼育について書いていこうと思います。
●産卵セット
経験則的にエラフスは材なしでも十分産むので、今回はマットのみの産卵セットを組んでいきます。発酵の浅いタイプの産卵用マットを水分多めで加水し、底5割を固く詰めたセットから多数の卵・幼虫が得られました。ちなみにですがあまり早期の卵を割り出すのは孵化率に影響するので禁物であります…まず初令が見えたら、なる早でという形がベストと思っています。
●幼虫飼育
我が家のキクロではもっともサイクルが遅く、数回の交換が必要であることをイメージしてブリード計画を立てていきます。基本的にマット飼育でオスは一本目1100cc→2本目2300ccという形をとりました。発酵の浅い2種類のマットをブレンドし、水分多めに加水してプレス機でガチ詰め。
●蛹化〜羽化
2024年1月に新成虫を掘り出しました。メスは1100ccボトル1本返しで羽化させています。特にメスはサイズ狙いってわけでもないので800ccで十分なのか?と思ったりもします。
2024.3.26
同腹のオスの蛹を確認しました!自己飼育史上初の大歯です。
2024.5.1
まるまるひと月強を経てオスが羽化しました!雌雄4ヶ月はズレていますね。セラー内で大型容器VIP飼育した結果なので仕方ありません。個人的にエラフスの寿命を考えると、半年に一回産卵セットを組むというスタイルでいけば累代に困ることはあまりなさそうだと思いました。都合よいタイミングで野外品が入荷するとは限りませんからね…
何がともあれ見れるサイズになってくれて感無量です。オスの羽化第一号は仮計測78mm。偶然にも2世代前に購入した親種と同じサイズですね。しかし自己記録は大きくアップデートできました。前回は恥ずかしながら50ミリ代でしたからね。
野外品購入
蛹を見て高ぶるモチベ。そして3年ぶりの野外品エラフスの購入。ヤフオクにオス単で出品されていたので、これは機会を逃すまいとポチってしまいました。最近はだいぶ人気で落札もヒヤヒヤです笑笑。96表記でしたが、ブリ部屋にて再計測すると普通に97はとれますね。久しぶりに手にとるエラフスはやはり圧倒的な威厳があります!
こちらのオスに、先日羽化して手元に残していた3メスをペアリングしていきます。産卵用マットには栄養フレークメインで、エラフスの食べかすをブレンドしたものを使用。産卵用ケースにはコバシャ小ケースを使用。ホソアカ全種にはこのくらいのケースサイズが丁度いいと感じています。1ヶ月が経過し割り出ししたところ、1セット目1幼虫2卵、2セット目はペアリング時の外傷で強制退場(´ω`)。3セット目は当たりで30匹以上の幼虫を確保。まだまだ産みそうなのでセットは継続します。
最後の幸運
セラー内で16-18℃の低温管理していた1本の1300ccボトル。実は期待していたわけではないのですが、掘り出してたまげました。写真だと分かりずらいかと思いますが、今回羽化した他の個体に比べて明らかにに大型です!掘り出し時の高揚感に包まれるこの瞬間、至福なんですよね。これだから飼育はやめられないです。
ちなみに本個体は同ラインで最長の幼虫期間で蛹化しております。セラー内で冷やす必要について検討していたのですが、正直特大を目指すとなると、しっかり冷やさないとダメみたいですね。
ちなみに羽化ずれ回避目的で組んだ別ラインのメスも同時に自力ハッチが始まりました。最大で36mmとなかなか迫力のあるサイズも羽化!メスレコまでの壁も厚いのですが、次の親に使おうと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
羽化ズレで先に羽化したメスを低温管理したら後食遅らせれますか?
17・8℃あたりです
低温管理で寿命そのものを引き延ばすことはできるはずです。高地棲のキクロは低温下でも普通に活動するようなので、遅らせられるかまでは微妙なところですね…