カテゴリー: Breeding_Lucanidae

  • アスタコイデスノコギリクワガタ |飼育記録Vol2

    アスタコイデスノコギリクワガタ |飼育記録Vol2

    アスタコイデスノコギリクワガタ
    Prosopocoilus astacoides pallidipennis
    🇮🇩インドネシア スマトラ島 ベンクール

    前回の飼育記事
    大きく育てるにはクセがあると言われているアスタコ。かっこよくていい虫!とは言われますが、そもそも野外品が呆れるほど安価なため、大真面目に飼育している人も少ないイメージはあります。(いわゆる地獄虫)

    蛹化-羽化

    2024年1月10日
    オスの蛹化を確認しました。掘り出した瞬間ドキッとしました。多分でかい。

    本種の特徴である頭部中央の2本の突起は、特大個体になると形が横に広がってくるイメージがあったのですが、この蛹はまさにそんなスタイルだったので期待が膨らみます。現レコードが72.7mmなので、せめて70mmはのっていたら嬉しいなと。ノギスを軽くあてて眺めたりする時間はとても楽しいです笑

    そういえば2022年には74.3mmの特大野外品が入荷していたんですよね。当時は少し話題になっていた記憶があります。写真を今見返すとなかなかゴツい個体だという印象。全体的に太く湾曲も強く、先述した頭部の突起も大きく発達しています。スマートな体型の方が体長は稼ぎやすいので、実際はさらに大きな野外個体がいても不思議ではないというポテンシャルを感じました。

    2024年2月15日、待ちくたびれましたがようやくオスが羽化しました。偶然にもマットの質と水分量はいい塩梅にマッチしたのでしょう。1本目は水分多めガチ詰め800cc、2本目は1400cc水分普通詰め圧やや強めで羽化しました。

    仮計測70.2mm!固まって再計測したところ69mmでした。これくらいサイズがあると非常に見応え十分ですね。メスの方は羽化から3ヶ月で活動を開始しました。やはり他の方の情報通り少し寝る種類みたいです。活動開始後は活発に歩き回るのでわかりやすいと思います。

    体が固まったので再計測&撮影〜
    お気に入りの個体は角度変えてパシャパシャ撮っちゃいますよね。

    1サイクル目の結果は69.7mmとなりました。わずかに70の大台は逃してしまいましたが、次こその思いで飼育を継続していきます。

    ●産卵セット
    先日勢いあまって野外採集品3ペア購入しました。産卵は微粒子の発酵の浅いマットを固く詰めれば普通に産んでくれます。通常投入から数日で壁面に卵が何個も見えるのですが、少し経過して見ると何故か消滅…。実は以前も同じことが起きたので、単に採卵数を上げたい場合は、卵のうちに取り出すのも悪くはないのかなと。こまめに割り出す方法にシフトし、3セット中2セットから無事幼虫を確保。合計で120匹の幼虫を得ることが出来ました。伸ばし方はある程度わかったので数抱えてみよう!という作戦でしたがちょっと多過ぎました笑。

    手元にあるオスと追い掛けなどはせずに、買った状態のままセットしています。正直アスタコに関しては雌雄とも状態よく入荷することが多く安心感があります。特にオスは寿命が近い生体は羽が黒っぽく変色するので、判別が容易な点もあるのかもしれません)

    ●幼虫飼育
    生おが発酵マットを水分多めに加水、前回同様三階松プレス機を利用して800ccボトルにガッチガチに詰めていきます。(実際は200リットルを前にして涙目)翌日には嫌気発酵してボトル底半分は黄色に変色しているはずです。こんな環境にど初令を投入していくわけですが、毎回大丈夫かよ…と心配になるものの生存率は極めて安定しているんですよね。オスは1本返しも試しつつ、一部サイズ狙いで2本返しで交換しようと思います。

    2024年6月8日
    ボトル投入から5ヶ月が経過し、オスは3齢初期、メスは3齢後期となりました。メスは1本で十分ですが、一部のオスのみサイズ狙いの実験としてボトル交換。体重を計測しました。14.5g、13.4g、14.1g、10.2gといった感じで、いい感じに体重が乗っているのではないでしょうか?

    餌の状態も極めて良好なので正直1本で見れるサイズは出てくるはずなんですが、今回は数がいるので質の面でも攻めていきたいですね。1本目と同様800ccボトルに、生おが発酵マットを少し水分を抑えてプレス機で加圧。あまり硬くすると潜れなかったり、潜る際に過度にエネルギーを消費すると考えたので、1本目よりは少し抑えめに加圧しました。最後までご覧いただきありがとうございました。

  • アスタコイデスノコギリクワガタ |飼育記録Vol.1

    アスタコイデスノコギリクワガタ |飼育記録Vol.1

    アスタコイデスノコギリクワガタ
    Prosopocoilus astacoides pallidipennis
    インドネシア スマトラ島 ベンクール

    産卵セット

    2023年3月入荷した野外品メス1頭から持ち腹でブリードを開始。産卵マットを固く詰めた簡単なセットです。壁面に産んでいる様子は観察していたのですが、卵が次々消滅していきました。セット開始から3ヶ月後、2齢幼虫7頭を回収しました。

    幼虫飼育

    2023年4月下旬、生オガ発酵マットを十分に加水し800ccクリアボトルにガチ詰め。ボトル底から半分は嫌気発酵して黄色っぽく変色しています。投入後2ヶ月ほどは生存反応が全くないので心配していましたが、しっかり食い進んで3齢に成長していることを確認しました。

    オス判定は2頭のみ。11月に800cc→1300ccクリアボトルに交換。残念ながら一頭落ちてしまいましたが、同年12月には蛹化を確認しました。

    羽化

    アスタコイデスノコギリクワガタ メス32mm

    同年11月初旬から12月初旬にかけてメスが羽化。メスの幼虫期間は9ヶ月ほどですね。サイズは31mm、31mm、32mm、32mm。メスのレコード登録には壁がありますが、野外品と比較すれば大型であると思います。

    ●野外品購入
    メスが羽化したのにオスは一向に幼虫のままですので、野外品を3ペア購入。

    WDメス3匹は持ち腹で11月に産卵セットを組み、12月下旬〜孵化が始まりました。

    アスタコイデスノコギリクワガタ

    最後までご覧いただきありがとうございました。

  • アラガールホソアカクワガタ |飼育記録VOL2

    アラガールホソアカクワガタ |飼育記録VOL2

    アラガールホソアカクワガタ
    Cyclommatus alagari
    🇵🇭フィリピン パラワン島 Mt.ガントン

    前回の記事はこちらから

    幼虫飼育

    2023年6月、孵化した36頭の幼虫を1100cc半透明ボトルと800ccクリアボトルに分けて、マット飼育で管理してみました。マットは性質の異なる2種類をブレンドし、水分量は通常種よりもかなり多めに加水し、プレス機で圧をかけて詰めました。管理温度は20℃前後でした。

    蛹化-羽化

    11月初旬〜12月初旬にかけてメスは順次羽化!
    オスの方は12月〜蛹化しました。どう頑張っても同じ環境だとおよそ1ヶ月半〜2ヶ月ほどは羽化ズレしちゃうみたいなんですが、本種のメスはキクロの中では比較的丈夫で短命ではありません、きちんと管理すれば問題ないと思っています。

    ❶オス 12/1蛹化5.1g

    ❷オス 12/3蛹化→5.8g

    アラガールホソアカクワガタ 蛹
    アラガールホソアカクワガタ 蛹

    ❸オス 1/7蛹化→ (未計測)

    結局メスに大きく偏り、オスは全部で9頭。そのうち大歯に近い形になった蛹はわずか2匹でしたが、アラガールはじめて2サイクル目にしてはまずまずの結果と思います。

    さて、ボトルサイズを分けて飼育した結果についてですが、残念ながらクリアボトル800ccの方はサイズは伸び悩み、半透明ボトル1100ccはサイズアベレージも高く、自己サイズ更新は間違いないです。1100ccボトルは中の環境が最後まで良好だったのと、蛹化前の暴れが少なかった印象はあります。

    これはブリーダーの意見の割れるところですが、大型のメスを用いると大型が狙いやすいという話は個人的にすごい納得ではあります。熱帯魚界隈でもよく聞く話ですが、体の大きなメスから生まれる卵は大きいですし、その分成長も有利な可能性があるのかなと思いました。

    レコード血統購入など
    2ヶ月の羽化ズレの間にメスを待機させるのもアレなので、アラガールのレコードホルダーSINさんから、レコード血統65mmペアを購入しました!このサイズの個体はカッコ良すぎますよね!左右で若干歯形が違うのもちょっと面白いです。

    アラガールホソアカクワガタ 大歯

    最後までお読みいただきありがとうございました!次回の記事は羽化結果〜産卵セットまで書いていこうと思います。

  • メタリフェルホソアカクワガタ |内歯消失個体 飼育記録Vol.1

    メタリフェルホソアカクワガタ |内歯消失個体 飼育記録Vol.1

    メタリフェルホソアカクワガタ
    Cyclommatus metallifer metallifer
    インドネシア🇮🇩ペレン島 野外採集品

    成虫入手
    2023年11月、購入した野外品を見て違和感に気づきました。内歯のギザギザがほとんど消失しています!
    それって珍しいんか?というところではありますが、私自身も書籍や実際に目で見る機会は無かったため、割合的には少ないはずと言っていいはずです。長年オークションなどを定期的に見ている方は何度か目にしているかもしれませんが、、、

    こちらが今回のブツです。
    内歯が部分的に消失し、左右にポツポツと有る内歯もやや小さめです。

    メタリフェルホソアカクワガタ 内歯消失個体

    ちなみに下の個体(標本)はほぼ同サイズの通常個体。このように普通80mm超える大型個体は3〜4本内歯があります。

    メタリフェルホソアカクワガタ 通常個体


    ん、それだけ?と思う方もいらっしゃるとは思いますが、僕は鼻息荒いです。仲良い虫友に写真を見せたらインペラ感あるね〜という話になって、言われてみると確かに似てる気がします。気になって本属の進化と系統樹について調べると、面白い記事を見つけちゃいました。メタリとインペラって同じキクロマトス属の中でもそこそこ近い仲間という事で。詳しい内容はこちらの(Figure4)をご覧ください。「Molecular phylogeny and historical biogeography of Cyclommatus stag beetles (Coleoptera: Lucanidae): Insights into their evolution and diversification in tropical and subtropical Asia

    ちなみにクワガタムシは複数の属・種を超えて内歯消滅の報告はあります。インターネット上ではありますが、調べたとこと既に本種も複数の飼育者から飼育での内歯消失羽化の報告があります。)また国産に限っては本土ヒラタ(新潟産)が有名で、この事例の場合、遺伝性は間違いなさそうだと判断しました。また本種においても遺伝性を実証してみたいので、貴重な機会を逃す事なくブリードします!

    産卵セット
    WD内歯消失オス×手持ちのパープルメスの組み合わせでペアリング。丸一日間メイトガード確認したので、栄養フレークを水分多めで詰めて産卵セットに投入。1ヶ月半後にセットから14匹の幼虫を取り出し、生オガ、ホダオガ混合のマットを詰めた800ccボトルにて管理。7月から9月にかけて成虫が羽化しました。今回の最大は残念ながら90mmには達せず、サイズを求める飼育としては微妙な結果でした。

    羽化個体の掘り出し中、一頭の頭部が見えた瞬間に確信しました。内歯消失です!数年はかかるものと思っていましたが、あっけなく1世代目で求めていた結果に大きく近づけました。

    固まったので蛹室から取り出して撮影!

    撮影ボックスに入れて撮影〜
    パープルが綺麗に撮れますね!拡大してみると若干の内歯が残っていますが、先代より消失率はアップしており、良好な結果だと思います。

    今後の目標としては
    1. 内歯の完全消失を目指す。
    2. 内歯消失の固定率を高める
    3. パープルを強化する

    ひとつの系統として確立していく上では重要になってくると思います。

    しかし抱えた数が少ない割には、内歯消失とパープル両方の特徴がうまく出てくれました。この個体は同腹のメスとできる限り掛け合わせて多めに飼育したいですね。最終的にはパープルホワイトアイ完全内歯消失型も見れるようになったら面白いですよね。今のところ反響は弱めで関心を持ってくれる方も少なそうですが、地道に頑張っていきたいと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。

  • スペキオススホソアカクワガタ |飼育記録 VOL.1

    スペキオススホソアカクワガタ |飼育記録 VOL.1

    スペキオススホソアカクワガタ
    Cyclommatus speciosus
    ソロモン諸島 ベララベラ島

    スペキオススホソアカクワガタ 58mm

    産卵セット

    即売会で入手したオスに、ショップで購入した別系統のメスをペアリング。本種は気性が荒くメス殺しの多い種ですので、ペアリング期間は1日のみに設定しています。

    スペキの産卵難易度はかなりやさしいと思います。産卵用マット+使用済みマットをブレンドし、ハンドプレスで詰めていきます。水分量は底面が少し嫌気発酵(黄色っぽい変色)するくらい多くても大丈夫です。

    幼虫飼育

    孵化した幼虫は発酵マットを詰めた800ccボトルに投入しました。ホダオガ粗粒子+クヌギ生オガ微粒子をブレンドし水分はやや多め。温度は22℃前後で管理し、メスは5ヶ月・オスは6〜7ヶ月で羽化しました。

    羽化

    最大サイズは58.8mmとなりました。


    羽化後メスは1ヶ月半、オスは2ヶ月で摂食を開始します。そもそもメスの方が羽化が早いのもあり、少なくとも1ヶ月〜2ヶ月ほど羽化ずれが生まれる形となりますね。最後までご覧いただきありがとうございました。

  • アラガールホソアカクワガタ |飼育記録vol1

    アラガールホソアカクワガタ |飼育記録vol1

    この写真の標本はMt. Mantaringajan(マンタリンガハン山)ラベルの野外個体です。浜松町KUWATAフェルティバルにてワイルドプライドさんのブースで入手しました!グリーン強めの頭部が非常に良いですね!ちなみに飼育品はMt.Gantung(ガントン山)ラベルがほとんどです。(私が飼育しているラインもガントン)

    親種入手
    成虫ペアを購入し初めてのアラガール飼育にチャレンジです!種オスは60mm(大歯まであと少し)で、アラガールのかっこよさがチラつく個体です。

    アラガールホソアカクワガタ オス

     

    アラガールホソアカクワガタ
    Cyclommatus alagari
    フィリピン🇵🇭ブルックスポイント Mt.ガントン

    コバエシャッター中に産卵用マットを固詰めしただけの手抜き産卵セットですが、結局20匹以上の幼虫を確保できました。メスの状態さえ良ければ、アラガールの散乱難易度は簡単な部類かと思います〜

    幼虫飼育
    基本1100cc半透明ボトル1本返しで、大きく育ったオスは1400ccに交換しました。しかしこれが失敗だったようで、交換した幼虫が環境の変化に慣れずに小型で羽化したり蛹で落ちたりする結果に…これだったら1本返しの方がマシだったんですね。

    ボーベリアに巻かれて死んじゃいました(>_<)無事羽化してたら割とマシなサイズになったと思うんですよね。もちろんスーパー大歯ではないですが、アラガールらしい六角形の顎をしています…残念!

    一方で交換なしの方はほぼ落ちずに綺麗に羽化しました〜しかし写真の通り無事羽化したのは50mm UP程度の個体。今回の経験を活かして次にまた頑張りたいところです…

    産卵セット
    十分に摂食を行っているペアを用意し、ペアリングです。飼育ケースに餌とゼリーを入れ、一晩同居させます。即ブリペアであれば1日ほどでメイトガードが成立しているかと思いますので、メスは2日以内に産卵セットに入れちゃいましょう!ちなみにアラガールは長期間同居させるとメス殺しのリスクが高まるので注意が必要です!私は過去一度やらかしてます(>_<)

    今回使うメスは、サイズも大きく足の力が非常に強く、安心できます。サイズを狙う上でメスのコンディションは重要な鍵となるというのがブリーダーたちの一致した意見のようです。
    それでは産卵セット組んでいきます!今までは新品の産卵用マット100%でやってきていましたが、今回は産卵用微粒子マットと幼虫の育ったマットを混ぜたものを使用してみます。去年に比べると、だいぶ論理的に考えて飼育ができるようになったと思います。水分量はやや多めで、産卵セット底2割ほどが変色している感じで、水分量多目を好むキクロ的には良いのではないかと思います。

    幼虫飼育
    産卵セットから得られた37匹の幼虫をボトルに詰めていきます!前回の失敗経験を踏まえ、真剣にレシピを考えました。生オガ中粒子とホダオガ粗粒子マットを混合し、ボトルを詰めていきます。前回は大きく育ったオス幼虫数頭をボトル交換したところ、環境変化についていけなかったようで、かえって小型化したり羽化できず死んだりと散々でした(>_<)。ですので今回は一本返しで羽化まで持っていくコースでいこうと思います。ボトルはクリアボトル800ccと半透明1100ccに分けて飼育してみました(それぞれコンテナ1つ分)。他種の飼育状況や他のブリーダーさんの話を見ていると、基本的に中型キクロは800ccでも十分デカくなるみたいです。どちらかというとマットの環境が大事なんですね!水分量はかなり多めに設定し、ボトルの下半分が嫌気発酵で黄色く変色している状態にします。幼虫は嫌気発酵した部分の境界線に定着していることが多く、通常の部分と掘り混ぜながら摂食しているのではないかと思われます。

    長かったですが最後までご覧いただきありがとうございました!次回は楽しみな羽化結果についてお知らせしようと思います