朝はやくに登山して、目的地の小さな川辺まで辿り着きました。道路沿いにも生息するようですが、採集圧が高いので、誰も入らなさそうな林道で探索することに決めました。川に霧がかかっている神秘的な光景です。ヒメオオ採集は、ヤナギの枝先をルッキングするのが基本的な採集方法となります。1時間ほどみて回り、柳の高所にペアでくっついている姿を発見。しかし網の届かない位置にいるので、機転をきかせて近くにあった長い枝を持ち上げてつつきます。しかし朝なので寒くて体が固まっているせいで、なかなか枝から落ちてくれません。そこでちょっと強めに力を入れると、想定していた落下地点から離れて落っこちてしまいました。本当はネットで受けようと思ったのですが、どうやら外してしまったようです。このまま見失うのはショックすぎるので、必死になって林床を探し回って数分、なんとか♂を発見しました。
なんといっても人生初のヒメオオを自力で開拓したポイントで採集というのが胸熱です。山梨では何度も悔しい思いをしただけに、すごく嬉しかったですね。しかしいくら探しても♀は見つかりません。
山の中腹にある旅館へ昼食を食べに下山。登りは何もついていなかった道路脇のヤナギに、枝先に向かって素早く歩いているアカアシを発見しました。よく観察すると複数の♂が我先にと枝先にむかって進んでいます。寒い夜は木の根本に潜っていて、気温が上がり体が動けるようになると次々に枝先に移動し、樹液場を確保するというルーティーンのようです。
高い枝先のところから落とすと失敗が多いので、幹にいるのを急いで確保していきます。ネットインした中を確認すると、アカアシに混ざってヒメオオの♀が一緒に入っていました。さっき見失った個体が運良くネットに落っこちていたんですね。どうりで下草を見ても見つからない訳です。
翌日もアカアシポイントへ。慎重に振動を加えて、ネットイン。
これはデカいと確信しました。顎の基部の太さがハンパないですね。帰宅後測定しましたが、最大個体で52mm、51mmもありました!!小さい個体を取り除いた後に巨大な個体がとれるのは不思議ですよね。
今回数かなりのアカアシを観察したのは、道路わきのヤナギの木数本のみでした。樹の下には倒木が多く転がっておりそこで発生しているようです。最後までご覧いただきありがとうございました。