オオクワガタ採集 |東北地方 2022年8月

7月前半戦は自分ひとりで試行錯誤したものの、失敗続きだったオオクワガタ灯火採集。ですが今回は違います。プロフェッショナルな方にお願いして、ありがたいことに採集に連れて行っていただきました。

日付は7月30日、高速バスで東北に向かいます!!バス停で合流したのは今回の記事のキーパーソン、オオクワ採集の玄人であるドルハン氏です。出会ってすぐ冗談を言うような気さくな方で、近くの美味しいラーメン屋さんに連れていってくださいました。

名物の白河ラーメン

さあ、オオクワ採集は場所取りが肝心ですから、食事の後はまっすぐ採集場所に移動します。山間の道をドライブしながら、オオクワガタ採集について色々な知識を授けてもらいました。

オオクワガタ採集
さて、採集場所に到着したところ、サプライズで本日3人目のメンバーが待機しています。そこで挨拶しようと車を出た瞬間、強烈なハプニングに見舞われます。なんとスズメバチらしきものに取り囲まれ、さらにその1匹が頭にとまるともうパニックで限界です。とにかく刺されないように頭を低くして地面に這いつくばりますが、一方ドルハンさんは「ハチじゃない、刺さないから大丈夫」と余裕そうな表情。とにかくスズメバチと信じて疑わない私は、そそくさと車内に戻ります。後でちゃんと話を聞くと、スズメバチに擬態しているアブだとのこと。フロントガラスにとまった姿を見て納得です。これに慣れている2人は、真剣にビビり散らかしている自分の姿がどうしても可笑しかったようで、その後も「動画撮っておけば良かったな〜」といじられることに笑。

車の中でひたすら時間を潰す時間も終わり、待ちに待った夜がきました。空が真っ暗になる19:30から点灯開始です!恐怖のアブの大群には参ってしまいましたが、夕方以降は全く見なくなるので安心ですね。さらに飲むとオオクワが採集できるドリンクを飲むと、もう気合いはバッチリです!ドルハンさんは大きな投光機、自分は今峰HID1灯を別箇所に設置しました。点灯直後から小型昆虫の飛来が始まり、平静を装いながら、今夜は盛り上がりそうな予感でワクワクでした。

真っ先に飛来したのはアカアシ、ノコギリです。一番近い木についていたものが速攻飛んできたのではないでしょうか。しかしそれと共に、一帯のマイマイガの襲来が一気にスタート!!数年に一度の大発生に当たってしまったらしく、ものすごい数が鱗粉を撒き散らしながらライトに向かって突進してきます。なんとなんと、飛来した蛾の9割以上はマイマイガです笑

20:27、ついに1匹目のオオクワガタが、ドルハン氏のところに落ちてきました。初めてみる野生のオオクワの姿は思っていたより大きく、重厚感がありました。こんなに早くくるとは思わず、意表をつかれましたが、とにかく感動です!!

自分のHIDはというと大型のアカアシ、続いてコクワが飛来し、絶好調です!樹液採集では軽く扱われるコクワですが、灯火採集ではオオクワが飛来する兆候とされています。ドルハンさんも「コクワリーチ」と言っていました。半信半疑で時間を少し空けてから戻ると、まさかまさかの黒くて大きな甲虫!ひと目で間違いないと判りました。20:53 オオクワ♀を発見です!!自分のライトは小火力で正直心配していましたが、運よくとんで来てくれました!!昆虫採集を始めてから既に10年がたちましたが、ようやく自分の目で飛来した瞬間を見ることができました。前胸は細かい傷ですこし艶消し、後ろ足は無く、厳しい野生を生き抜いていたことが感じられます。

立て続けの飛来に驚きと喜びを噛み締めながら、ドルハン氏のライトと自分のライトを何度も行ったり来たり見回っていると、マイマイガの大群を嫌がりながら素早く歩行する大きな黒虫が目にとまります。これは間違いない!手に取る前からオオクワガタだとわかりました。一刻も早く駆け寄りたい気持ちを抑えつつ、まずドルハン氏、次に私が写真撮影をします。これがまさかの大歯で大盛り上がり!灯火は小さい個体が多いようなので、本当にラッキーです!撮影後には、とっていいという気前の良い言葉に甘えさせてもらい、貴重なオスをありがたく手に取らせて頂きました。21:05 夢のオオクワ♂を採集です!

天然オオクワガタ♂

その後はというとカブトムシが飛来し始め、するとぱったりクワガタの飛びは悪くなってしまいました。最後まで粘りますが、ミヤマ、コクワがポツポツ来るくらいです。時間はあっという間にすぎた23時、機材についた蛾を必死に追い払いながら片付けを済ませ、シャツについたマイマイガの卵を落としてもらいました。

車に乗る前におおむね一般種はリリースし、車に乗り込みます。さすがはシーズン真っ盛りの東北、帰り道では街灯採集狙いと思われる車と何回もすれ違いますね〜なんとしてもオオクワを採集したいという人の多さに驚愕です。鱗粉や汗でドロドロになった体を綺麗にするため、温泉に寄ってから帰ります。時間が時間なのでどうせ誰もいないだろうと思ったのですが、まさかまさか、1組カップルがご入浴中でした。(具体的なお話はコンプラ的に自主規制)彼らが出るまで10分ほど待ってから入浴タイムです!熱々の湯が体に付着した毒蛾の鱗粉を解毒してくれるらしいですよ!おかげ様で、虫刺されの痒みとは無縁で帰宅することができました。

お風呂の後は最後にもう一度全員で集まり、採集したオオクワガタを集め、記念撮影を行いました。採集人生最高の思い出ですね〜

終わりに

オオクワを育む大地、そして何より懐が深く親切なドルハンさんがいなければ、今年もオオクワは採れずじまいだったような気がします。とにかく感謝です!!そしてただでさえ競争が熾烈なオオクワ採集、場所取りや街灯めぐりでは、時に心無いトラブルも発生するといいます。このような状況を踏まえ、生息地に関する具体的な情報をほとんど載せないように気をつけました。

オオクワガタ

そして残念なことに、帰路でオスが弱ってヘロヘロになってしまいました。完全に私の知識不足でしたが、暑さと酸欠は本当に致命的なようです。かろうじて生きていますが、足先をピクピクさせているのみです。

翌日見たら、完全に死んでいました。不幸中の幸いとして、メスは全頭元気に持ち帰ることができたので累代にチャレンジします。自己採集からのオオクワ飼育、長年の夢が叶いそうで何より嬉しいです。最後までご覧頂きありがとうございました。

今回採集したメスのブリード結果はこちらをご覧ください!!この記事タイトルを見て驚いた方もいるはず….
●「オオクワガタ飼育記録VOL1
●「オオコクワガタ |野外オオクワからの羽化記録

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